(ブルームバーグ):トヨタ自動車は22日、創業家出身で同社の会長を務める豊田章男氏の名前を冠した人工知能(AI)の開発など、AIへの取り組みを強化していることを明らかにした。
トヨタの発表によると、豊田会長自ら自身のAI技術である「豊田章男AI」の開発に参画することで、グループの従業員などの多くがAI技術を身近なものとして活用する土壌の形成を図る。
トヨタは同日、実験都市「ウーブン・シティ」(静岡県裾野市)で、同AIの実演を報道陣に公開。質問に対して同氏が答えそうな返答を出すシステムで、一番好きな車は何かとの問いには、トヨタの中では自分で最初に買った車でもあるカローラなどと回答した。
ウーブン・シティの開発などを担うトヨタ子会社ウーブン・バイ・トヨタの橋本大輔氏によると、豊田氏の過去の発言や同氏からのフィードバックなどを基に、トヨタの次世代のリーダーを育成する仕組みとして同AIを開発した。今年度から公的な育成の仕組みとして社内での実装に取り組んでいくという。
AIの活用は幅広い業界で急速に広がっており、自動車業界でも自動運転技術での利用のほか、製造や販売などでも使われ始めている。日産自動車は今月、将来的に約9割のモデルにAI運転技術を搭載する方針を掲げた。トヨタも経営トップが直接AI開発に関与することで本気度を示した格好だ。
トヨタは今回の発表で、ウーブン・シティでの開発や実証の中核をAI技術が担うと位置づけた。カメラ映像などに周囲の状況に関する情報を組み合わせることで、実世界で起きている事象を言語化し、理解・判断・行動につなげられる大規模基盤AIモデルの開発を進めていることも明らかにした。
スタートアップも合流
また、トヨタはカラオケボックスチェーン「ビッグエコー」を運営する第一興商、トヨタが出資し電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発する米ジョビー・アビエーション、AIロボット協会、金融子会社のトヨタファイナンシャルサービスが新たにインベンター(発明者)としてウーブン・シティに参画することも発表した。
トヨタは昨年9月に始動したウーブン・シティで次世代のモビリティなどの開発や実証を進めている。入居する異業種企業との連携も進めており、外部の知見を活用することで新たな商品やサービスの開発につなげようとしている。
ウーブン・シティにはデンソー、アイシンなどの系列部品メーカーのほか、昨年8月までにダイキン工業、ダイドードリンコ、日清食品などの外部企業も参画を表明している。そのほか、トヨタはスタートアップも募集しており、23日に行う最終選考で選ばれた企業が合流する予定だ。
トヨタは今回、ウーブン・シティ内に設けた研究開発施設「インベンターガレージ」も報道陣に公開。インベンター向けの試作スペースや宿泊施設などを備えており、今月から稼働を開始した。
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