運用成績で首位級の日本株ファンドの一つが、イラン戦争を巡る不確実性が高まる中で、シクリカル銘柄(景気敏感株)へのエクスポージャーを縮小し、現金比率を高めている。現在は銀行株や工業株へ再び投資するタイミングを見極めようとしている。

ライオントラスト・ジャパン・エクイティー・ファンドは、2月末にイラン戦争が始まった後、現金比率を約6%まで引き上げた。運用資産約158億4000万円規模の同ファンドを運用するポートフォリオマネジャー、トーマス・スミス氏(ロンドン在勤)が明らかにした。同ファンドは通常、全額を日本株で運用している。

スミス氏は20日のインタビューで、「想定すべきシナリオの幅が格段に広がっており、こうした不確実性を勘案して、ポートフォリオの景気感応度を引き下げてきた」と説明。「現金保有を従来より積み増しているが、それと並行して、典型的なディフェンシブセクターを中心に組み入れも増やしている」と語った。

同ファンドのスタンスは、広範なリスクが後退すれば、エクスポージャーを再び引き上げたいと考える一部の外国人投資家の姿勢を反映している。外国勢は戦闘開始以降、日本の主要株価指数が持ち直すのを支えてきた。4-6月期の買越額は、3月に見られた売り越しを打ち消す勢いとなっている。

ライオントラストの為替ヘッジ付きファンドは、年初来で14%のリターンを上げ、同種ファンドの98%を上回る成績を収めている。工業セクターをオーバーウエートとし、大手銀行株を保有する戦略が奏功した。保有する大型工業株のうち、三菱重工業や日立製作所などは過去12カ月にわたり東証株価指数(TOPIX)を上回るパフォーマンスを続けており、上昇率は50%を超えている。

金融セクター全体としてはアンダーウエートとしているものの、銀行株についてはイラン戦争開戦以降に組み入れをやや減らした後でも、なおオーバーウエートを維持している。スミス氏は、状況が改善すれば「銀行株は買い増しの対象となる分野の一つだ」と述べた。​​​​​​​​​​​​​​​​

原題:War Pushes Japan Equity Fund Into Cash, Eyes Re-Entry in Banks(抜粋)

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