(ブルームバーグ):中国の動画配信大手、愛奇芸(iQiyi)は、5年以内に映画や番組の大半を人工知能(AI)が制作するようになるとみている。こうした業界の大転換を見据え、同社は創業以来最大規模となる企業改革に着手した。
北京に本社を置く愛奇芸は2010年に設立され、中国の「Netflix」と呼ばれている。創業者で最高経営責任者(CEO)の龔宇氏はインタビューで、動画モデルの高度化に伴い主にAI生成コンテンツを配信するソーシャルメディア型プラットフォームへ転換する計画を明らかにした。

その移行の一環として、百度(バイドゥ)傘下の愛奇芸は20日、映画制作のほぼ全工程に対応可能とするAIツール群「納逗Pro」を正式に投入した。同社はエンターテインメント業界におけるAI活用の推進役となることを目指している。
字節跳動(バイトダンス)の「抖音」など短編動画プラットフォームの台頭で、愛奇芸の売上高は低迷。同社はこの流れを反転させるため取り組んでいる。抖音は「TikTok」の中国版。
龔氏は、専門家が制作するコンテンツへの投資は維持するとしつつ、短期的には資本の一部をAIサービス強化へ振り向けると説明。早ければ今夏にも商業的な成功を目指すAI生成映画を公開する方向で、「10年に一度の機会だ。流れに乗らなければならない」としている。

中国の動画配信市場は、愛奇芸とアリババグループ、テンセント・ホールディングス(騰訊)が大きな存在感を示しているが、短編動画の普及により、視聴先は米国よりも分散している。愛奇芸の動きは、AIが業界をどう変えるかを巡る議論がハリウッドで激しくなる中で進められる。
ハリウッドでは人員削減が広がり、テクノロジーが業界構造をどう変えるかが問われている。Netflixやアマゾン・ドット・コムなど大手スタジオは制作コスト削減を目的にAI技術を活用しており、アマゾンは映画・テレビ制作にAIを導入する専門チームを社内に設けている。
原題:China’s Netflix Expects AI to Create Bulk of Shows in Five Years(抜粋)
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