(ブルームバーグ):米アップルは、ハードウエアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのジョン・ターナス氏を最高経営責任者(CEO)に指名した。ティム・クックCEOは執行会長に就く。
クック氏(65)はウオッチや動画配信、金融サービスなどに事業を広げ、同社を時価総額4兆ドル規模に成長させた15年間の在任に区切りをつけ、ハードウエア部門トップのターナス氏に経営を引き継ぐ。

20日の発表資料によると、ターナス氏(50)は9月1日付で就任する。同氏は2021年からハードウエアエンジニアリング部門を率い、アップルで25年にわたり製品開発に携わってきた。ブルームバーグ・ニュースはこれまで、ターナス氏がクック氏の後継候補と報じていた。
事情に詳しい関係者によると、ターナス氏が率いてきたハードウエアエンジニアリング部門は、長年補佐してきた幹部トム・マリエブ氏が引き継ぐ。マリエブ氏はチーフハードウエアオフィサーに指名されたジョニー・スルージ氏の下で勤務する。スルージ氏は、ハードウエアエンジニアリングとハードウエア技術を統合した新部門を統括する。
投資家は今回の発表をおおむね冷静に受け止めた。時間外取引で株価は一時約2%下落したが、その後、下げ幅を縮小した。
アップルは厳しい局面にあり、ターナス氏はその進路を示す役割を担う。成長はなお堅調なものの、同社は機器の使い方を変えるとされる人工知能(AI)分野で出遅れている。

クック氏は社員向け文書で「ジョンは、われわれが未来に向かって革新を続け、大きな構想と大胆な新たな道を切り開く上でふさわしいリーダーだ。過去50年にわたり成功と高い評価を支えてきた価値観を、今後も当社のアイデンティティーと文化の要として守っていく存在でもある」と指摘した。
アップルによると、クック氏は執行会長として、世界各国の政策担当者との関係構築に当たる。クック氏はすでにトランプ米大統領との関係も統括している。今回の人事に伴い、長年会長を務めたアート・レビンソン氏は筆頭独立取締役に就く。
クック氏は社員に対し「現時点でわれわれには極めて優れたロードマップがあり、私はアップルの将来にこれほど楽観的になったことはない」とした上で、「だからこそ、執行会長という新たな役割に移る時期だと判断した」と説明した。移行の詳細については21日の全社員集会で説明するという。
AI重視の姿勢
関係者によると、ターナス氏はAIを重視しており、今月には製品開発や品質向上を支援する新たなAI基盤を活用した体制にハードウエアエンジニアリング部門を再編した。
ブルームバーグの既報によると、同氏はAIを軸とした新たなウエアラブル機器や家庭用機器の開発も主導してきた。新型AirPodsやスマートグラス、カメラ付きペンダントが含まれる。また、顔認識機能付きディスプレーや卓上ロボット、防犯カメラといったスマートホーム製品の開発も主導している。
クック氏はここ数カ月、ターナス氏のCEO就任を見据え、準備を進めてきた。昨年末には、ソフトウエアとハードウエアの設計チームを事実上統括するよう求めた。さらにターナス氏はここ数カ月に新設のハードウエア試作チームを引き継ぎ、「Apple Watch」のハードウエアエンジニアリングも統括するようになった。
原題:Apple’s Cook to Hand Reins to Ternus After Record-Setting Tenure、Apple Names Ternus as Next CEO; Tim Cook to Become Chairman (4)(抜粋)
(背景などを追加し全体を書き換えて追加して更新します)
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