液化天然ガス(LNG)タンカー数隻がホルムズ海峡に接近しているもようだ。イランが同海峡の開放を発表したことで、この水路を通じたLNG運搬が再開されるとの期待が高まっている。

ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、アブダビ国営石油会社(ADNOC)が所有する「Al Hamra」と「Mraweh」の2隻の空荷のタンカーが、海峡の東側に位置するフジャイラの停泊地付近で一時停止した。ペルシャ湾へと進めば、イラン戦争開始以来、LNG船がホルムズ海峡の東側を通過する初の事例となる。

船舶データによれば、ペルシャ湾内では、カタール産LNGを積載した他のタンカー少なくとも3隻も、ここ数時間でホルムズ海峡に向けて移動している。2月末に米国とイスラエルが対イラン軍事作戦を開始して以来、LNGを積載した船舶がペルシャ湾を出たことはない。

この水路の実質的な封鎖により、世界のLNG供給の約5分の1が遮断され、価格高騰とアジア新興国市場全体での供給不足を招いている。イランのアラグチ外相は17日、レバノンを拠点とする親イラン民兵組織ヒズボラとイスラエルの10日間に及ぶ停戦期間中、海峡は商船の航行に「完全に開放されている」と表明した。

LNGタンカーは頻繁に進路を変更することが多く、海峡に向かっているとみられる船舶が実際にこの水路を通過しようとするかは不透明だ。過去1カ月の間、複数のLNG船がホルムズ海峡の通過を試みたものの、途中で断念している。

イラン当局によれば、船舶は同当局が「すでに発表した調整ルート」に沿って移動できるという。一方、トランプ米大統領は、米国によるホルムズ海峡の海上封鎖が引き続き完全に効力を維持すると述べた。

その後のイランメディアの報道では、「敵対的な」国々に関連する船舶や貨物は通過を認められず、いかなる通過も当局との調整が必要であり、米国によるイラン船舶に対する封鎖措置が続けば海峡を閉鎖するとしている。

船舶追跡プラットフォームのケプラーによると、ペルシャ湾内には今後数日以内にホルムズ海峡の通過を試みる可能性のある、貨物を積載したLNG船が15隻存在するが、保険会社が最近の報道にどう反応するかに大きく左右される。

ケプラーの主席ガス・LNGアナリスト、ロナルド・ピント氏は、貨物はまず、「おそらくアジアの買い手、特にここ数週間スポット買いの動きが見られた南アジアの一部地域に届けられるだろう」と述べた。

イランによる攻撃で生産能力の約17%が失われ、先月稼働を停止した世界最大のカタールLNGプラントがいつ再開されるかについても疑問が残る。

ウッドマッケンジーの欧州ガス・LNG担当ディレクター、トム・マルゼックマンサー氏は天然ガスの価格について、「カタールエナジーが、ラスラファンにあるLNGトレインの一部だけでも再稼働させると示唆すれば、さらに大幅に下がるかもしれない」と指摘した。

原題:LNG Ships Move Toward Hormuz After Iran Says Strait Is Open (2)(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.