(ブルームバーグ):中東のオマーンから出荷された原油がインド西海岸沖で超大型タンカー(VLCC)に積み替えられ、その後日本へ向かっていることが分かった。イラン戦争の影響で中東産原油の供給が滞る中、異例の手法で調達する動きが続いている。
ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、オマーンのミナ・アル・ファハル港で、中型サイズのタンカー「Shenlong」に積まれていた原油が、16日までにムンバイ沖でVLCCの「Bright Horizon」に積み替えられた。VLCCは約200万バレルの原油を積載できるが、中型タンカーからの積み替えであるため、Bright Horizonには約75万バレルしか積まれていない。鹿児島県の喜入港に29日に到着する予定だ。
国内最大の石油元売り会社ENEOSホールディングスの海運子会社ENEOSオーシャンのウェブサイトによると、Bright Horizonは同社が所有するタンカーの一つだ。同社は喜入に世界最大級の原油の中継備蓄基地を保有している。
ENEOSホールディングスの広報担当者はコメントを控えるとした。
イラン戦争の影響で、石油や液化天然ガス(LNG)輸送の要衝であるホルムズ海峡は事実上封鎖された状態が続いており、世界的なエネルギー危機が深刻化する懸念が高まっている。日本は比較的潤沢な石油備蓄を抱えるものの、原油の95%超を中東に依存していることから代替調達が急務となっている。
中東原油を巡ってはホルムズ海峡を経由しない代替ルートとしてアラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ港や紅海沿岸のヤンブー港が注目を集めているが、中東情勢が緊迫化する中でいずれの海域も安全とは言い切れない状況だ。そのため危険海域への航行に慎重な買い手の間では、今回のような積み替え手法の活用が広がる可能性がある。
海事コンサルティング会社シッピング・ストラテジーのマネージング・ディレクターを務めるマーク・ウィリアムズ氏は、「他の買い手も同様の回避策を試みられない理由はない」と話す。「ある国の製油所が主に中東産原油を処理している場合、ホルムズ海峡が再開されるまでの間、これは実行可能な短期的な解決策となり得る」と続けた。
同様の動きでは、今月初旬にUAEのアブダビ国営石油会社が生産する「マーバン原油」がマレーシア沖で積み替えられ、現在北海道に向かっている。そのほか、3月下旬に同原油をインド西海岸沖で受け取った別のタンカーもまもなく喜入港に到着する見通しとなっている。
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