熊本城の石垣 積みなおし終了わずか7% 復旧を阻むものは?

熊本城も強い揺れに見舞われました。国の重要文化財の櫓が倒壊するなど被害は甚大でした。なかでも、深刻だったのは石垣で、城全体の3分の1が崩れました。
復旧現場は今どうなっているのか。
中村石材工業・石工世話役 北園和憲さん
「ここが手前の石垣を解体した石を仮置きしている状態になる」
地震から10年。被災した石垣のうち積み直しが終わったのは、わずか7%です。
復旧を阻んでいるのが…

中村石材工業・石工世話役 北園和憲さん
「これ墨汁で番号書いている。562面の100番という石がこれ」
Q.全部1つ1つ番号を?
中村石材工業・石工世話役 北園和憲さん
「番号をうって管理するような形。今後は業者が入って石一つずつ記録をとっていく」

それぞれの石に番号を付け、特徴を整理。崩落前の石垣の写真と照合し、元の位置に戻す地道な作業を続けています。
復旧の最前線にいるのは、地元・熊本市出身の男性。2024年、施工業者に入り、作業に携わっています。

中村石材工業・石工 東龍弦さん(25)
「(地震)当時はまったくそんなことも考えていなかった。携われてすごくうれしい」
共に復旧にあたる先輩は…
中村石材工業・石工世話役 北園和憲さん
「彼らが一人前になって熊本城復旧に携わってくれたら、僕も嬉しいし会社としても嬉しい。復興しながら、そういう子らの成長を見届けるのがいまの僕のやりがい」

地震直後、当時の映像を見ると、一列の石垣だけが残り、倒壊寸前の櫓を支えています。この姿から「奇跡の一本石垣」と呼ばれるようになりました。
10年が経ち、石垣の積み直しは完了。2028年度の完全復旧に向けて今後、建造物の再建に入ります。

石垣をよく見ると、間に“丸い石”が。
熊本城総合事務所・田崎昌平さん
「あそこについているのが、この受圧板。築石(表面の石)が落ちないようにするのが受圧板の効果」
震度7の揺れにも耐えられる石垣を目指しています。熊本城全体の復旧完了予定は、2052年度。あと25年以上あります。
熊本城総合事務所・田崎昌平さん
「我々職員だけでなく、働いている石工さんも一代では終わらない長さになってくる。この時間は未来に向かってつなぐ大事な貴重な時間。いま一生懸命頑張っている」