(ブルームバーグ):イスラエルとレバノンの駐米大使は14日、米国の仲介の下で、30年強ぶりとなる高官レベルの協議を行った。
イスラエルと、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとの交戦終結の期待には乏しいものの、イスラエルのライター大使は会合開催を「理性の勝利」だと呼んだ。
米国務省のピゴット報道官は声明で、米国が仲介して「イスラエルとレバノンの間の直接交渉開始に向けた措置について生産的な議論」が行われたと説明した。次回協議の予定は設定されていない。
米国は、1993年以来となるイスラエル、レバノン両国代表の直接協議を称賛した。ただ、ヒズボラが協議に関与していないことを踏まえると、イスラエルがレバノンへの攻撃の手を緩める可能性はあまり期待できない情勢だ。
レバノンのハマデ・モアワド大使は声明で、建設的な協議が行われたと指摘。停戦や避難民の帰還、国内の人道危機に対処するための具体的措置を求めた。
レバノンでの戦闘が長期化すれば、イランとの紛争の出口戦略を模索するトランプ米大統領の取り組みを損なうリスクがある。米国とイランが今月7日に2週間の停戦で合意後も、イスラエルは軍事作戦を一段と強化している。

ライター氏はワシントンで記者団に対し、ヒズボラの指導者がレバノン政府に協議に参加しないよう警告していたことに言及し、「これは理性と責任、平和の勝利」だとし、「これはヒズボラに対する非常に強力かつ強固で持続的な戦いの始まりだ」とも述べた。
ルビオ米国務長官は協議開始前、解決は数時間で得られるものではないが、協議は長期的な安全保障に向けた「枠組み」となる可能性があると記者団に発言。停戦にとどまらず、「地域におけるヒズボラの20-30年に及ぶ影響力に対する恒久的な解決」を実現する「歴史的な機会」になるとの認識を示した。
イスラエルは先月、イランへの連帯を示してヒズボラがイスラエルにロケット弾を発射したことを受け、レバノンに侵攻した。レバノン政府によると、イスラエルの攻勢により2000人余りが死亡し、少なくとも100万人が避難を余儀なくされている。

イスラエルは、レバノン南部の広範な地域を掌握して住民の帰還を阻止する方針を示している。ヒズボラとの戦闘では、イスラエルの民間人2人と兵士13人が死亡した。ヒズボラの攻撃により、イスラエル北部の住民はたびたびシェルターへの退避を余儀なくされている。
レバノンのアウン大統領は13日遅く、イスラエルとの協議に言及し「持続可能な解決に到達する機会があり、それこそがレバノンの望みだ」と述べた。その上で「これは一方的なものであってはならない。イスラエルはレバノン、アラブ諸国、国際社会からの対レバノン攻撃停止の呼びかけに応じる必要がある」との考えを示した。
ヒズボラによる対イスラエル攻撃で、2024年11月に成立した停戦は崩壊した。この合意の一環としてレバノン政府はヒズボラの武装解除を約束したが実行しておらず、イスラエルのネタニヤフ首相と政権にとって大きな不満の要因となっている。
今回の協議で、レバノンは長期的な問題の議論に入る前に停戦の実現を求めている。一方、イスラエルはヒズボラへの攻撃停止を拒み、武装解除を要求している。
原題:Israel Hails Lebanon Talks Despite Slim Odds of Breakthrough (1)(抜粋)
--取材協力:Meghashyam Mali.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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