(ブルームバーグ):13日の日本市場では債券が下落し、長期金利の指標となる新発10年国債利回りは一時1997年以来の高水準を付けた。米国とイランが和平合意に達しなかったことを受け、中東情勢の先行き不透明感やインフレ懸念が広がった。株式も下落。円は対ドルで159円台後半で軟調に推移した。
10年債利回りは一時前営業日比5.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.49%に上昇した。米国とイランは週末の協議で戦争終結に向けた合意に至らなかった。トランプ米大統領がエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の全面的な海上封鎖を発表し、米原油先物は日本時間13日の取引で一時1バレル=105ドルを超えた。
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、米国とイランの停戦交渉がうまく進んでいない上、米国によるホルムズ海峡の逆封鎖という想定外の事態に直面し、債券相場には中東情勢混乱の長期化を想定した売りが出ていると指摘した。原油価格上昇によるインフレ加速が懸念される中、中央銀行の政策対応がインフレに対して後手に回るビハインド・ザ・カーブへの懸念は主要国で日本が最も強いと述べた。
債券
債券相場は下落。中東情勢への懸念に加え、あす予定される20年債入札への警戒感も相場の重しだった。
ただ、東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、10年債は時間の経過とともに落ち着いてきたと指摘。イラン情勢をにらみながらも金利は2.5%を超えないと予想した。20年債入札についても「絶対水準からみて割安感がある」とし、新発債であることや発行額の減額を踏まえ、無難から弱めで切り抜けられるとの見方を示した。
新発国債利回り(午後3時時点)
株式
株式相場は下落。イラン戦争終結期待の後退や原油高を背景に、電機や商社といった業種が下げを主導した。個別では原材料不足によるユニットバスなどの新規受注停止が明らかになったTOTO株が売られた。
野村証券の小高貴久シニア・ストラテジストは「米国とイランの協議は停戦期間の2週間ほどは続くとみられていたが、早くも代表団が帰国し、さらに米国はホルムズ海峡封鎖というハードな対応になったことが懸念されている」と述べた。
下値では買いも入り、相場は下げ渋る場面もあった。ピクテ・ジャパンの松元浩シニア・フェローは、「週末の交渉が必ずしも楽観ばかりではないことは市場でもある程度想定されていた」と指摘。きょうの下げ幅が限定的なことを踏まえると、「ロング(買い)にしていた人はそんなに多くないと受け止められる」と話した。
東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、ホルムズ海峡について「今後の最大の焦点はイランによる米海軍への攻撃があるかどうかだ」と話した。一方で「例えば米イラン協議2回目の日程が発表されるなど、新たな材料が出れば相場は途端に戻す可能性もあり、投資家は一方的に売り込むのも難しい」ともみていた。
為替
外国為替市場で円は対ドルで159円台後半で推移した。原油価格の上昇を背景としたドル買い・円売りが先行した後は、イラン情勢の先行きを見極める雰囲気もあり小動きが続いた。
みなと銀行の苅谷将吾ストラテジストは電話取材で、中東情勢の不透明感からドルを買い戻す動きが見られるが、トランプ大統領による圧力は交渉の一部とみられていると指摘。イランとの協議再開の余地は示されているとし、足元は「期待感がやや後退した程度」との見方を示した。今週は157円50銭ー160円50銭での推移を予想している。
SBI FXトレードの上田真理人取締役は、ホルムズ海峡の封鎖で今後はドル以外の通貨に対しても円が弱まる可能性を指摘。円を支える材料は当局の介入と利上げとなるが、原油高による経済的な影響も大きく「日本銀行が利上げのトーンを強めるのは難しい」と話した。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:横山桃花、日高正裕.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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