米国は、ベネズエラ中央銀行に対する制裁の解除を検討している。数十億ドル規模の資金が同国の疲弊した経済に流入しやすくする狙いがあると、事情に詳しい関係者が明らかにした。

この措置により、原油販売による収益がベネズエラの金融システム内でより自由に流通できるようになり、長年の制約で断たれていた外貨獲得の主要な経路が回復する。

トランプ政権は、米国独自の制裁枠組みによって生じたベネズエラ経済のボトルネックを緩和する方策を模索している。国営石油会社ベネズエラ石油(PDVSA)に関連する取引について銀行がコンプライアンス(法令順守)審査を実施しているため、原油生産の活性化を目指す現地企業への支払いが米国内の口座で滞るケースが相次いでいるという。情報が公表されていないとして関係者は匿名を条件に語った。

ホワイトハウスは取材に対し、ベネズエラの経済回復を支援するため追加措置を講じる用意があるとした。

ホワイトハウスのロジャーズ報道官は「必要に応じ、ベネズエラに平和と繁栄を取り戻すための行動を引き続き取る」と述べた。

ベネズエラ情報省はコメント要請に応じなかった。

米国は1月にマドゥロ前大統領を拘束した後、ベネズエラの原油収入を管理下に置いた。原油販売収入は当初カタールの口座を経由し、その後米国に移された。約10億ドル(約1580億円)がベネズエラ中央銀行に送金されたが、銀行による審査が続いているため、その大部分は企業に届いていないと関係者は述べた。

関係者によると、PDVSA関連契約に対する追加審査により原油収入は積み上がっており、資金移転の遅れから一部企業は操業停止を余儀なくされている。

支払い遅延は、トランプ米大統領が掲げるベネズエラの原油生産の迅速な拡大と経済再建の計画を損なう恐れがある。イラン戦争により世界の原油供給が逼迫(ひっぱく)し、米国のガソリン価格が3年以上ぶりの高水準に上昇していることもあり、トランプ政権には政治的圧力が強まっている。

原題:US Mulls Venezuela Central Bank Relief to Boost Economy (1)(抜粋)

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