サウジアラビアはアジアの顧客向けに出荷する5月積みの主要原油グレードについて、中東産原油の指標価格に対するプレミアム(上乗せ価格)を過去最高水準に引き上げた。

イラン戦争に伴うホルムズ海峡の実質封鎖で、中東からのエネルギー供給が遮断され、戦争の長期化不安が市場を動揺させる中で、サウジはアジア向け価格の前例のない引き上げに踏み切る。

ブルームバーグが内容を確認した価格表によれば、サウジの国営石油会社サウジアラムコは、アジア向けアラビアン・ライトの原油公式販売価格(OSP)について、中東産原油の指標価格をバレル当たり19.50ドル上回る水準に設定した。指標価格に対するプレミアムとしては過去最も高い。

ブルームバーグが調査した精製業者やトレーダーはバレル当たり40ドルを予想していたが、実際のプレミアムを半分以下にとどまった。

トレーダーによると、3月最終週に中東産原油の一部グレードの価格が下落したことも乖離(かいり)の一因という。アラムコの原油価格はペルシャ湾岸のラスタヌラ港での積み込みを前提としているが、現在は紅海沿岸のヤンブー港から全て出荷されている。これらの原油を引き取る買い手は、追加コストを通常負担する。

アラムコは東部油田から紅海側の製油所や港湾に向かうパイプラインの輸送能力(日量700万バレル)をフル稼働させ、戦前の総出荷量の約 70%に相当する日量500万バレル近い原油を輸出している。

エネルギー輸送の要衝、ホルムズ海峡では、一部の船舶がイランの許可を得て通過したと伝えられたが、ペルシャ湾の原油タンカーは自由に身動きが取れない状態が続く。北海原油代表油種ブレント先物の開戦後の上昇率は50%を上回り、燃料価格も高騰している。

原題:Saudis Raise Oil Price to Record Premium as War Riles Markets(抜粋)

(プレミアムの予想との乖離の背景などを追加して更新します)

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