イーロン・マスク氏がテスラの将来を人工知能(AI)に託そうとしているが、それには自動車販売で資金を稼ぐ必要がある。ただ、自動車事業は厳しくなるばかりだ。

ブルームバーグのアナリスト調査によると、テスラの1-3月(第1四半期)の販売台数は約37万2160台の見通し。前年同期比では約11%増が見込まれるが、最近の四半期の中でも低水準にとどまる見込みだ。昨年序盤の販売は、マスク氏のトランプ政権への関与に対する強い反発や、主力の「モデルY」刷新に伴う生産停止が重しとなった。

テスラの店舗でモデルYを輸送トラックから移動させるドライバー(米カリフォルニア州コルマ)

テスラは四半期ベースで約50万台を販売していた時期もあるが、アナリストは1-3月期販売台数が近年のピークを大きく下回ると予想している。

世界的な電気自動車(EV)需要鈍化や、米連邦政府によるEV税額控除の終了を受け、テスラはAIや自動運転、ロボティクスに軸足を移す姿勢を強めており、販売の伸び悩みが新たな常態となる可能性が高い。さらに、販売台数の少ない高級車種「モデルS」「モデルX」の段階的廃止も進めており、競争が激化する中で車種をさらに絞り込んでいる。

ディープウォーター・アセット・マネジメントのマネジングパートナー、ジーン・マンスター氏は「税額控除がなくても数字の安定を示すことができれば上出来だ。少なくとも販売台数に関しては、それが可能だ」と指摘。投資家は税制優遇措置がない状況での需要動向を1-3月期に見極めようとしていると述べた。

投資家は自動車販売の数字よりも、ロボタクシー「サイバーキャブ」や人型ロボット「オプティマス」への取り組み進展を重視する傾向を強めている。AI分野へのマスク氏の取り組みを資金面で支援するのであれば、EV事業は安定的または緩やかな成長を維持するだけで足りる。

CFRAの株式調査担当シニアバイスプレジデント、ギャレット・ネルソン氏は、こうした野心的な製品やスケジュールを実現できるかに注目していると述べた。また、設備投資の拡大計画も注視している。

「重要なのは販売台数ではなく、『テラファブ』発表やテスラが進める積極的な支出といった大局的な動きだ。こうした支出急増を巡る懸念が、同社に対する投資家心理を圧迫している」と分析した。

原題:Tesla’s Sluggish Quarter to Reset the New Normal for EV Sales(抜粋)

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