日産自動車は、メキシコで生産された車両に対する関税の軽減を米政府当局者に求めている。新車の平均価格が過去最高付近で推移する中、手頃な価格を維持する必要があると訴えている。

同社で米州地域を統括するアメリカズマネジメントコミッティの議長を務めるクリスチャン・ムニエ氏は、関税負担軽減のために一部の生産を移転したが、低い人件費を生かすにはコンパクトセダンの「セントラ(Sentra)」やコンパクトSUVの「キックス(Kicks)」といったエントリーモデルをメキシコで生産せざるを得ないと述べた。

ニューヨーク国際オートショーに先駆けて開かれたニューヨーク・オートモーティブ・フォーラムで「これらエントリーレベルの車を米国で同じコストでは生産できない」と説明。「問題は利益率だ」とした。

昨年、米国で販売した日産車の3分の1超がメキシコ製。セントラとキックスに加え、生産が終了したコンパクトセダンの「ヴァーサ(Versa)」や高級ブランド「インフィニティ(Infiniti)」の「QX50」と「QX55」も含まれている。ムニエ氏によると、キックスとセントラに対する関税は1台当たり約2500-3000ドル(約39万6000円-47万6000円)となっている。

販売価格はセントラが2万2600ドルから、キックスが2万2430ドルからだ。ケリー・ブルーブックによると、先月の新車平均価格は4万9353ドルで、過去最高だった昨年12月の5万0326ドルからは低下した。1万7390ドルから販売されていたヴァーサの2025年モデルは、米国で2万ドル未満で販売された最後の車種だった。

米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)は、7月1日に延長の可否を判断するための見直し期限を控える。かつては形式的と見られていた同プロセスが、現在では論争を伴う交渉に性格を変えた。トランプ大統領は、貿易面で両国政府に対し追加の譲歩を求めるとともに、移民や麻薬取引、防衛などの問題への対応も迫っている。

ムニエ氏は、関税軽減を求める訴えに対し米政策当局は理解を示しているものの、カナダおよびメキシコとの貿易交渉はこうした問題の影響も受けていると述べた。

同氏は、「価格の手頃さは政府にとっても重要な課題であり、当社の懸念も理解している」と語った。

原題:Nissan Americas Head Says Cheap Cars Can’t Be Built in the US(抜粋)

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