(ブルームバーグ):米製薬大手イーライリリーは、睡眠障害治療薬を手掛ける英センテッサ・ファーマシューティカルズを最大78億ドル(約1兆2400億円)で買収することで合意した。肥満症治療薬を展開するリリーが、それ以外の領域で医薬品の開発パイプライン拡充を図る動きといえる。
3月31日の発表資料によると、リリーはセンテッサ株1株当たり38ドルを支払うほか、3つのマイルストーンが達成された場合はさらに同9ドルを追加で支払う。買収総額は30日の終値に対して70%のプレミアムとなる。前払い分は約63億ドル相当、追加支払いは約15億ドル相当となる。
センテッサは、日中に強い眠気が生じるナルコレプシーを含む睡眠・覚醒障害の治療薬を開発中だ。睡眠障害の既存の治療薬は依存性や翌日に二日酔いのような症状が残るなど副作用を伴う場合が多い。
神経科学は、肥満症領域以外の医薬品ポートフォリオ構築を目指すリリーにとって重要分野となっている。主力の糖尿病・肥満症治療薬「マンジャロ」「ゼップバウンド」には10年近い特許保護期間が残っているが、同社は既に売上急減リスクへの備えを進めている。
センテッサの米国預託証券(ADR)は3月31日のニューヨーク市場取引開始後に45%高と急騰。リリーの株価終値も3.7%高となった。
リリーは既に睡眠分野への足掛かりを持つ。ゼップバウンドは、米国で成人2300万人強が抱える睡眠時無呼吸症候群で承認されている唯一の治療薬だ。
センテッサの主力薬「ORX750」は、選択的オレキシン受容体作動薬の一つで、ナルコレプシーの主要原因の一つを標的とする。ナルコレプシー患者で低下している脳内ペプチドのオレキシンを増やす作用がある。現在、米食品医薬品局(FDA)で審査が進められている武田薬品工業のoveporextonと競合する可能性がある。
原題:Lilly to Buy Sleep Drug Maker Centessa in $7.8 Billion Deal (3)(抜粋)
--取材協力:Robert Langreth.
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