(ブルームバーグ):31日の原油先物相場は、クウェートの原油タンカーがイランの攻撃で損傷したとの情報で急伸後、トランプ米大統領が、ホルムズ海峡の封鎖解除を待たず軍事作戦を終わらせる用意を示唆したと伝えられると下げに転じ、乱高下する展開となった。
北海ブレント先物5月限はニューヨーク時間午前9時55分現在、1バレル=118ドル台で推移しており、このままいけば3月は月間上昇率が60%超と、過去最大の上げとなる。米国とイスラエルによるイラン攻撃が、深刻な供給ショックを招いたことが背景にある。5月限は31日に期限を迎える。
中心限月の6月限は前日終値を挟み、106-108ドル近辺で推移している。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物5月限も前日終値を挟んだ動きで、102ドル台。
トランプ氏は、ホルムズ海峡を通過できずジェット燃料の確保に苦慮する中でも、米国はそうした同盟国のために戦うことはないとSNSに投稿。ジェット燃料を必要とする国々に「自ら取りに行け」と述べ、米国は既にイランを十分に弱体化させたと主張した。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは、トランプ氏が側近らに対し、ホルムズ海峡の実質封鎖がおおむね解除されない状況であっても、イランに対する軍事作戦を終了する用意があると発言したと報じた。
クウェート石油公社(KPC)はこれより先、同国の超大型原油タンカー(VLCC)「AL-SALMI」がドバイ港に停泊中にイランの攻撃を受けたと声明で発表。タンカーは満載の状態で、船内で火災が発生した。その後鎮火したが、原油流出の恐れがあるという。

戦争によって重要な航路が実質的に封鎖されていることで、世界市場への原油や天然ガス、ディーゼル燃料の供給が遮断され、価格が押し上げられている。トランプ氏はイランとの合意が間近だと繰り返しているものの、中東紛争は5週目に入り、米国は同地域に追加部隊を派遣している。
CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギートレーダー、レベッカ・バビン氏は、「一歩進んで五歩後退するという状況が続いている」と指摘。「日量1000万から1200万バレルの原油がいまだに市場から事実上欠落しており、余力が乏しくなる中で、口先だけで原油価格を押し下げる手法は効果が薄れつつある」と語った。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派は週末、ミサイルでイスラエルを攻撃した。イランは、米国による対イラン戦争のさらなるエスカレーションがあった場合に備え、紅海の船舶を標的とする新たな攻撃作戦の準備をフーシ派に促していると、事情に詳しい欧州当局者が明らかにした。

原題:Brent Oil Set for Record Monthly Rally While Trump Mulls War End、Oil Swings After Report Trump May End War Without Hormuz Opening、Oil Buffetted by Tanker Attack, Report of Trump Mulling War Exit(抜粋)
(第2-5段落に相場や関連情報を追加して更新します)
--取材協力:Charles Gorrivan.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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