(ブルームバーグ):ドバイ港に停泊中のクウェートの原油タンカーが、イランの攻撃を受け、船体が損傷したと伝えられたことを受け、アジア時間31日午前の取引で、原油先物相場は上げ幅をさらに拡大した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は、一時3.7%高の1バレル=106.70ドルに達した。30日のニューヨーク時間帯の取引では、2022年以来初めて終値ベースで100ドルを上回った。
クウェート石油公社(KPC)は、同国の原油タンカー「AL-SALMI」がドバイ港に停泊中にイランの攻撃を受けたと声明で発表。タンカーは満載の状態で、船体が損傷し船内で火災が発生しており、原油流出の恐れがあるという。
トランプ米大統領がイランのエネルギー施設への攻撃をあらためて警告したことも相場の押し上げ材料。イラン戦争は沈静化には程遠く、国際貿易とエネルギー市場がさらなる混乱に見舞われるとの不安が高まっている。
トランプ大統領は30日のソーシャルメディアへの投稿で、ホルムズ海峡が再開されない場合には、イランの発電所と石油施設、「恐らく」淡水化プラントを「爆破して完全に破壊し、(イランでの)素晴らしい『滞在』を締めくくる」とした。
戦争によって重要な航路が事実上封鎖されていることで、世界市場への原油や天然ガス、ディーゼル燃料の供給が遮断され、価格が押し上げられている。トランプ氏はイランとの合意が間近だと繰り返しているものの、中東紛争は5週目に入り、米国は同地域に追加部隊を派遣している。
CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギートレーダー、レベッカ・バビン氏は、「一歩進んで五歩後退するという状況が続いている」と指摘。「日量1000万から1200万バレルの原油がいまだに市場から事実上欠落しており、余力が乏しくなる中で、口先だけで原油価格を押し下げる手法は効果が薄れつつある」と語った。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派は週末、ミサイルでイスラエルを攻撃した。イランは、米国による対イラン戦争のさらなるエスカレーションがあった場合に備え、紅海の船舶を標的とする新たな攻撃作戦の準備をフーシ派に促していると、事情に詳しい欧州当局者が明らかにした。
原題:Oil Extends Advance as Iran Attacks Crude Tanker in Dubai Port(抜粋)
(船体が損傷した原油タンカーに関する情報を追加して更新します)
--取材協力:Charles Gorrivan.
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.