トランプ米大統領は26日、米空港の混乱緩和を目指し、運輸安全局(TSA)職員への給与支払いを命じる大統領令に署名する意向を表明した。TSAを所管する国土安全保障省を巡る予算で共和・民主両党の対立が続いており、協議が行き詰まっている。

トランプ氏はSNSで、「この緊急事態に対処し、民主党が招いた空港の混乱を迅速に止めるため、TSA職員に直ちに給与を支払うようマリン国土安全保障長官に指示する命令に署名する」と主張。「容易なことではないが、実行する!」と言明した。

歳出権限を広く握る議会を迂回(うかい)してTSA職員に給与を支払う法的権限が大統領にあるかは不明だ。

一方で、2025年の政府閉鎖時に軍への給与支払い継続を命じた前例もあり、トランプ氏が資金を振り替えてTSA職員に支払う動きを阻止するのは容易ではない可能性もある。共和党が主導する上下両院は、本来なら立法府に属する権限を拡大行使するトランプ氏におおむね歩調を合わせる姿勢を取ってきた。

全米の主要空港で保安検査を待つ長蛇の列ができている。一部政府機関閉鎖の影響による空港保安職員の不足が原因。航空機利用を断念し、レンタカーや列車といった代替手段を探る旅行者が増えている。

人員不足

国土安全保障省の予算を巡る対立が数週間に及んでおり、人員不足や空港利用者の長時間待ちを招いている。TSA職員の無給が続き、主要ハブ空港での運航に支障が生じているため、イラン戦争に伴う原油・ガス価格の高騰に直面する米経済に新たなリスクとなっている。

混乱の拡大に加え、議員らが2週間の休会を控える中、合意に向けた議会協議はここ数日、緊張感が一段と高まっている。民主党は、今年初めに移民当局の職員によって米市民2人が殺害された事件を受け、取り締まり政策の見直しを求めて国土安全保障省の予算を巡る承認を遅らせている。一方、共和党は移民関連以外の国土安全保障省の部門やTSAへの資金確保を目指した民主党の提案を拒否している。

共和党のスーン上院院内総務はトランプ氏の措置について「短期的な解決策だ」と評価。これまで合意に至っていない議会に対し「当面の圧力が和らぐ」と述べた。

長期化する党派対立は、議会の多数派を争う11月の中間選挙を控えた両党にとってリスクとなっている。

原題:Trump Says He Will Sign Order to Pay TSA During Shutdown (2)(抜粋)

--取材協力:Erik Wasson、Steven T. Dennis、Megan Scully、Romy Varghese、Laura Davison.

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