(ブルームバーグ):カタールから液化天然ガス(LNG)を積んだタンカー2隻が、目的地をパキスタンに変更した。ホルムズ海峡経由でペルシャ湾を抜ける試みは、いったん断念したとみられている。
ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、「アル・ダーヤン」号と「ラシーダ」号はホルムズ海峡に向かって東進していたが、その後Uターンしていた。イラン戦争が始まって以降、ペルシャ湾からのLNG輸出に向けた初の試みだった。いずれも2月下旬に、カタールの輸出プラントでLNGを積み込んだ。
米国とイスラエルが2月下旬にイランへの攻撃を開始して以降、積み荷のあるLNGタンカーによるホルムズ海峡通過は確認されていない。両船が再び通過を試みるかどうかは不明。目的地は確定ではなく、変更される可能性はある。アル・ダーヤンは当初、中国を目的地として示していた。
ホルムズ海峡の事実上の封鎖で、世界市場へのエネルギー供給が滞っている。週末には、貨物を積んでいないとみられるタンカー1隻が同海峡を通過した。
クプラーが集計した船舶追跡データによると、カタールは過去数週間でクウェート向けにLNGを2回出荷した。これらはカタール国内の貯蔵施設から積み出された可能性が高く、ホルムズ海峡を通過する必要はない。
一方、目的地をカタール産LNGの主要な買い手であるパキスタンに変更したのは、海峡通過の確保に向けた動きの一環である可能性がある。ブルームバーグは先週、イランがパキスタン船20隻のホルムズ海峡通過を認めると表明したことを受け、パキスタンが自国旗の下で他船に重要貨物を輸送させるといった選択肢を検討していると報じた。
ペルシャ湾周辺での船舶動向の把握は、船舶信号への電子妨害に加え、危険海域の航行時にトランスポンダーが意図的に停止される可能性があるため、必ずしも正確ではない。船舶データベースのエクアシスによると、アル・ダーヤンはシーピークが管理し、ラシーダはナキラットが保有する。両社にコメントを求めたが直ちに返答はなかった。
ホルムズ海峡通過が実現すれば、カタールにとって追い風となる可能性がある。同国は昨年、世界のLNG供給の約5分の1を担ったが、ラスラファンの輸出プラントはイランの攻撃により1カ月以上、稼働が停止している。海峡が通過できるようになれば、すでに積み込み済みでペルシャ湾内に待機する貨物の出荷や、貯蔵分の積み出しが可能になるとみられる。
世界最大のLNG輸出施設であるラスラファンを運営するカタールエナジーにはコメントを求めて連絡を取ったが、これまで返答はない。
米国・イスラエルによる攻撃開始以降、イランはホルムズ海峡の通航を自国船や承認した船舶にのみ認めている。これまでのところ、カタール関連のエネルギー船舶の通過は確認されていない。最近では、フランスや日本など米国に近いとみられる国の関連船舶の通過をイランが認めた可能性がある。
原題:Qatar LNG Ships U-Turn After Attempt to Pass Through Hormuz (1)(抜粋)
(タンカーの目的地変更を受けて、更新します)
--取材協力:Sing Yee Ong.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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