(ブルームバーグ):米運輸保安庁(TSA)は、国土安全保障省の予算停止が数週間に及ぶ中、空港の保安体制が深刻な圧力にさらされていると警告した。人員不足により待ち時間が長期化し、全米で混乱が拡大している。
マクニール長官代行は25日、議会で「TSA史上最長の待ち時間が発生しており、4時間半を超えるケースもある」と述べ、予算停止の期間中にすでに480人余りの運輸保安職員が離職したと明らかにした。
アトランタやヒューストン、ニューヨークなどの空港が大きな影響を受けている。行列はターミナルや手荷物受取所、場合によっては屋外にまで及び、待ち時間への不満や乗り遅れの懸念を訴える投稿がソーシャルメディア上で拡散している。25日早朝には、ニューヨーク市のラガーディア空港で長い列が施設内を曲がりくねる様子を捉えた動画がXに投稿された。通常、同空港のウェブサイトには待ち時間が掲載されているが、状況が急速に変化しているため更新は停止されている。
上下両院の議員は下院国土安全保障委員会の公聴会で、マクニール長官代行に対し、予算停止が業務に与えている影響や対応について追及した。共和党は資金の途絶が国家安全保障を弱体化させ、現場の職員に過度な負担を強いていると指摘。一方、民主党は空港業務の支援に移民・関税執行局(ICE)職員を活用している政権の対応を問題視した。
人員不足は、予算停止の長期化に伴い一段と深刻化している。「離職の急増が見られた」とマクニール氏は述べ、給与未払いの影響で退職や欠勤が相次ぐ中、同庁は人員の流出を注視していると説明した。
一部の主要空港では、日によっては職員の40%から50%が欠勤し、保安検査レーンの集約や業務の縮小を余儀なくされている。その結果、行列は数時間に及んでいる。

予算が2月14日に失効してから約40日が経過した現在も、移民取締政策を巡って与野党が対立しており、協議が行き詰まっている。
マクニール長官代行は、長い行列の対応やTSA職員が中核的な保安業務に専念できるようにするため、ICE職員が「専門性を要しない保安検査業務」を補助していると説明。民主党は、ICE職員がこうした業務を担うための訓練を受けているのか疑問を呈し、空港での配置に懸念を示した。これに対しマクニール氏は、「本来であればTSAが業務を担うべきだ」としつつも、政府閉鎖の間はICEの支援が職員の「負担軽減」に役立っていると述べた。
同氏はまた、予算停止が長引くほど人員体制の立て直しは困難になると警告し、夏の旅行需要の増加や2026年のサッカーのワールドカップ(W杯)に備え、「即応態勢」を維持する必要があると強調した。
原題:Airport Wait Times Worst in History After 480 Officers Leave (1)(抜粋)
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