おわりに
本稿では、2019年から2025年にかけてのエクストリーム通勤者の割合の変化について、東京圏とその他の地域に分けて男女・年齢層別に検証した。
その結果、東京圏とその他の地域のいずれにおいても、男性ではエクストリーム通勤者の割合に大きな増加はみられなかった一方、女性では特に20代以下の年齢層を中心にその割合が上昇した傾向が確認された。
また、女性の割合の増加は、東京圏では20代以下と50代以上で大きい傾向がみられた一方、その他の地域では30代以下で大きい傾向がみられるといった地域によって異なる特徴がある可能性が示唆された。
本稿と同様の分析枠組みで、エクストリーム通勤者の割合ではなく平均通勤時間を対象に分析した結果、東京圏の女性では本稿の結果と同様に、20代以下と50代以上で平均通勤時間の増加がみられた。
一方、その他の地域の女性については、本稿でみられたような年齢層による明確な違いは確認されなかった。
これは、その他の地域では、平均通勤時間は全ての年齢層で増加しているものの、90分以上の長時間通勤に達するケースは主に若年層に限られていたためである可能性がある。
つまり、中高年女性ではもともとの通勤時間の水準が短いため、通勤時間が伸びたとしても、エクストリーム通勤に分類される水準に達するケースが少なかったためと解釈できる。