医療現場“命守る検査”に影響も

中東情勢の緊迫化は原油価格の高騰だけではなく、日本の医療現場にも影を落としています。

こちらの男の子は、野球をしていた際にボールが頭に当たり、病院を受診しました。

男の子
「しばらく痛くて、きました」

川崎中央クリニック 市村真也 院長
「どうですか?まだ頭は痛いですか?」

男の子
「ちょっと違和感があるくらい」

念のため、頭部のMRI検査へ。結果は…

市村真也 院長
「特に異常はないです、とてもきれい。頭をぶつけた打撲の影響もなし、何にもなしです」

体の内部を撮影するMRI。

市村真也 院長
「例えば脳卒中、一番大切なのは脳梗塞とかを診断する時に、必ずMRIが必要なんですよ」

この装置は強力な磁石を使っているため、常に低温に保たなければなりません。その冷却に使われているのが“液体ヘリウム”です。

市村真也 院長
「ヘリウムはMRIには絶対欠かせなくて、24時間365日、基本的には電源をつけてずっとMRIを稼働。電源をつけていまして、ヘリウムでずっと冷却しています」

しかし今、このヘリウムの供給に不安が広がっています。背景にあるのは、イランによるカタールのLNG(液化天然ガス)関連施設への攻撃です。

ヘリウムは、天然ガスの生産過程で得られる資源。供給は中東情勢に大きく左右されます。

カタール国営のエネルギー会社「カタールエナジー」によると、ガス施設への攻撃でヘリウムの生産は14%減少しました。

まず影響が出るとみられるのが、価格です。

川崎中央クリニック 市村真也 院長
「ヘリウムの価格が上がると、MRIをメンテナンスするための保守料が上がる。ヘリウムの価格がたぶん保守料の上乗せになりますので、そうなってしまうとクリニックや病院の経営をひっ迫する状況が想定されます」

さらに、供給不足が長期化すれば、検査そのものにも影響が及びかねません。

市村真也 院長
「ヘリウムの供給が本当になくなって、例えば数か月、数年経つような状況だと、MRIを患者さんが本当に撮らなくちゃいけない時に撮れなくなる可能性はあると思います」
「本当に極端な話をいうと、MRIを稼働するにあたって支障が出る可能性がある」