欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会のヨルゲンセン委員(エネルギー担当)は加盟国に対し、ガス貯蔵の充填(じゅうてん)を早めに開始するよう求めた。夏場に価格高騰を招きかねない調達競争を避け、イランでの戦争の影響を緩和する狙いがある。

ブルームバーグ・ニュースが確認した書簡によると、ヨルゲンセン氏は加盟国に対し、ガス貯蔵の充填目標を80%に引き下げるとともに、EU法で認められている柔軟措置を最大活用するよう促した。各国は80%の目標から10ポイントの乖離(かいり)が認められており、市場環境が不利な場合にはさらに5ポイントの調整が許容される。貯蔵義務の達成期限は12月1日とされている。

ヨルゲンセン氏は書簡で、EUは中東地域からの「輸入依存度が低く、紛争前にホルムズ海峡を通過した液化天然ガス(LNG)貨物があるため、現時点では供給の安定性は比較的確保されている」と語った。

一方で、EUは「エネルギーの純輸入国として、世界的な価格の上昇や変動がガス貯蔵の積み増しにも影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。

イランによる対カタール攻撃でLNG生産施設が損傷し、修復には最大5年を要する見通しだ。書簡は最近の攻撃の後に送付され、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が先に報じていた。

EUが中東から調達するガスの割合は比較的小さいものの、世界市場での競争激化に直面しており、欧州のガス価格は上昇している。

原題:EU Tells Member States Not to Wait to Fill Up Gas Storage(抜粋)

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