イラン問題の終息に向けて
日本にとっての大問題は、原油高騰の長期化リスクである。
3月21日にトランプ大統領は、イランにホルムズ海峡を48時間以内に開放することを要求している。米国もまたWTIの原油市況が高止まりしている状況に業を煮やしている。
日本の場合、最悪の事態として原油輸入の途絶のリスクがある。その手前では、ホルムズ海峡封鎖によって、原油市況が高騰している問題がある。
この点では、日本とトランプ大統領とも利害は一致する。
原油供給を巡っては、各国がロシア産原油の輸入に動こうとしているようだ。米国にはロシア産原油の輸出を認めて、市況高騰を何とか回避したいという焦りもある。
対するイランは、米国の利害を見透かして、米軍基地がある中東の国々にミサイル攻撃を行っている。攻撃対象には、石油・LNG関連施設も含まれていて、こうしたインフラへの損害が原油高騰を煽っている。
インフラへの損害が大きくなれば、たとえイラン攻撃が終わっても供給不足が起こるという懸念から、原油市況に強い上昇圧力となっている。イランが仕掛けている揺さぶり戦略である。
油価下落のためには、ホルムズ海峡の封鎖が解かれ、イラン側の他国への攻撃が収まらなくてはいけない。米国は、イラン攻撃の終息を急がなくてはいけない。
現時点では全く出口が見えないから、事態はまだ改善していないと考えられる。
高市首相からは、日米会談の冒頭で「世界のエネルギーマーケットを落ち着かせるための提案も持ってきた」という切り出しから始まった。
しかし、期待されるような即効性のある施策は提案されていなかったと思える。ここは、皮肉な話だが、停戦に向けたトランプ大統領の姿勢如何である。