(ブルームバーグ):天然ガスは、世界的なエネルギー供給混乱で世界の一部地域で確保が急がれる一方、米テキサス州では過剰生産分が許可の範囲内で次々と焼却処分されている。
テキサス州西部では、原油の生産に伴って天然ガスが産出される。イランとの戦争に端を発した供給混乱を受けて原油価格が高騰する中、多くの掘削業者は高水準の生産維持に意欲的だ。だが、同地域はガスを輸出市場に送り出すインフラ整備が不十分で、その結果、現地のガス価格はマイナス圏に落ち込んでいる。
米国のガス生産量の約4分の1を占めるパーミアン盆地のガス集積地「ワハ」では、翌日物価格がゼロを大きく下回って推移している。これは、限られたパイプラインの輸送能力を確保するため、売り手が買い手に支払いを余儀なくされていることを意味する。ワハのスポット価格の週間平均は過去最低を記録した。
ワハ市場の状況は、世界のエネルギー業界が直面する喫緊の課題を浮き彫りにしている。たとえ原料生産が十分でも、それが必要とされる場所に運ぶための基幹的なサプライチェーン(供給網)がない地域が多い。テキサス産の価格が急落する一方で、カタールにある世界最大の液化天然ガス(LNG)プラントが攻撃を受けたことで欧州のガス価格は急騰。この混乱により、世界の供給不足が一段と強まる見通しだ。

テキサスの生産者がガスを引き取ってもらう費用の負担を回避するには二つの選択肢がある。一つは生産停止。イランでの戦争により米原油指標が1バレル=100ドル付近に上昇している現在、これは損失を伴う現実的でない選択肢だ。もう一つは、テキサス州の規制当局に対し、余剰ガスのフレアリング(燃焼処分)許可を求めることだ。
エナジー・アスペクツのアナリスト、ジョシュ・ガルシア氏によると、今年のフレアリング件数は同時期として月間ベースで少なくとも5年ぶりの高水準に急増している。
一部のアナリストによれば、パーミアン盆地の業者にとって、ガス供給の過剰感は今後数カ月でさらに深刻化する可能性がある。
トレーダーらによると、ワハのスポット価格は100万BTU(英国熱量単位)当たりマイナス9.75ドルまで下落した。
原題:Negative West Texas Gas Prices Reveal Global Energy Mismatch(抜粋)
--取材協力:Zachary R Mider.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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