米軍は、ホルムズ海峡での船舶航行を脅かすイランの能力が「低下した」との見解を示した。一方でトランプ米大統領は20日、対イラン軍事行動の「縮小」を検討していると明らかにした。

一方、イスラエル南部では、イランによる複数の攻撃で100人超が負傷した。イランは、自国の核施設への先の攻撃に対し報復を図っている。

トランプ氏の発言は、停戦を否定しつつ地上部隊の投入の可能性を排除しなかった直後に出されたもので、対イラン戦争を巡る米国およびイスラエルの目標や方針について、大統領が依然として大きく異なるシグナルを発していることを浮き彫りにしている。4週目に入ったこの紛争はエネルギー価格の急騰を招いており、米財務省はすでにタンカーに積み込まれていたイラン産原油や石油化学製品の販売を認める一般許可を発出した。

トランプ大統領は20日、「われわれは目標達成まであと一歩のところまで来ている。イランのテロリスト政権に対する中東での偉大な軍事作戦について、縮小を検討している」とソーシャルメディアに投稿した。

しかし、イスラエルのカッツ国防相は21日、共同軍事作戦は大幅に強化されるとの見方を示した。20日には、イランが約2500マイル(4000キロメートル)離れた英領インド洋地域のディエゴガルシア島にある米英共同軍事基地に向けて弾道ミサイルを発射。事情に詳しい関係者によると、基地に被害はなかったが、この攻撃はイランがこれまで知られていた能力を上回る戦力を有することを示した。

一方、米中央軍は、世界の原油と液化天然ガスの約2割が通過する要衝ホルムズ海峡で商船の航行を脅かしていたイランの施設を今週破壊したと発表した。クーパー司令官はXに投稿した動画で、米軍がイランの地下施設や対艦ミサイルに加え、情報支援施設やレーダーも攻撃したと明らかにした。

国際原子力機関(IAEA)は21日、Xで声明を発表し、イラン政府からナタンズの核施設が攻撃されたとの報告を受けたと明らかにした。同施設の外部で放射線レベルの上昇は確認されていないという。ナタンズはイランの主要なウラン濃縮施設の一つで、昨年6月のイスラエルとイランの12日間の戦争でも爆撃を受け、今回の紛争でも最初の週に攻撃されている。

その数時間後、イランはイスラエル南部の都市ディモナにミサイル攻撃を行ったと発表した。近郊には核研究施設があり、イラン国営テレビはナタンズ攻撃への報復だと伝えた。イスラエル当局によると、この攻撃で47人が負傷した。

この戦争は湾岸諸国にも引き続き影響しており、アラブ首長国連邦(UAE)はXへの投稿で、イランが同国に対して無人機8機とミサイル3発を発射したと明らかにした。

主要7カ国(G7)外相は21日、共同声明を発表し、「イラン政権によるすべての攻撃の即時かつ無条件の停止」を求めるとともに、世界のエネルギー供給を支えるため「必要な措置」を講じる用意があると表明した。

最近の攻撃ではイランのエネルギーインフラが標的とされ、イラン最高安全保障委員会(SNSC)のラリジャニ事務局長ら著名な高官が死亡。こうした状況の中で米国が一方的に攻撃を停止した場合にイランがどのように対応するかは不透明だ。

西側の情報当局の分析や関係者によると、米国とイスラエルによる数週間にわたる空爆にもかかわらず、イランの体制は崩壊に近づいているわけではなく、むしろ残る強硬派の下で結束を強めているという。

原題:US Touts Progress in Iran as Trump Floats ‘Winding Down’ (3)、US Touts Progress in Iran as Trump Floats ‘Winding Down’ (2)(抜粋)

(2段落目でイスラエルに対する攻撃を追加して更新します)

--取材協力:Dan Williams、Jeff Mason、Courtney Subramanian、Susanne Barton.

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