茂木敏充外相は22日、イランに対し日本船舶のホルムズ海峡通過を個別に働きかける可能性について「いまのところそこまで考えていない」と述べ、日本だけが単独で対応する考えを否定した。フジテレビの報道番組で語った。

茂木外相は「みんな通れる状態を作ることが極めて重要」と指摘し、ホルムズ海峡で足止めされている日本船舶45隻の安全について「政府としてもしっかり責任を持ちたい」と強調した。

ホルムズ海峡は世界のエネルギー輸送の要衝で、安定的な通航の確保が各国にとって重要な課題となっている。日本船舶に限定した特例措置ではなく、航行の自由を広く確保できる環境整備を重視する姿勢を示した。

一方、イランのアラグチ外相との電話会談については「アラグチ外相が日本だったらいいよと言ったのかどうかはその場ではしていない」と述べ、日本船舶に対する特別な扱いの有無は確認していないと説明した。

共同通信は、アラグチ外相が電話インタビューで、日本関連船舶のホルムズ海峡通過を認める用意があると明らかにしたと、21日に報じた。

茂木外相は原油の輸入先についてロシア産よりもホルムズ海峡経由の調達の方が「少なくとも欧州の国々からみたら理解が得られる」と述べ、ウクライナ侵略以降、制裁下にあるロシアからの輸入については否定的な見方を示した。

停戦後の機雷掃海示唆

19日に行われた日米首脳会談で、米側から同海峡航行の安全に対して貢献の要請があった。これに対し、高市早苗首相は日本が法的にできることとできないことをトランプ大統領に説明したとしている。

茂木外相は、自らも同席した会談を振り返り、「何か日本が具体的なことを約束してきたとか、宿題をもって帰ってきたということは全くないというのは事実」と述べ、具体的な合意や新たな負担はなかったと説明した。

その上で、ホルムズ海峡への自衛隊派遣については、「日本の機雷掃海技術は世界でも最高なので、あくまでも仮定の話だが、停戦状態になって機雷が障害になっているという場合には考える」と述べた。

真珠湾発言「おかしくない」

トランプ大統領が会談冒頭で、イラン攻撃を同盟国に事前通告しなかった理由を巡り真珠湾攻撃に言及したことについて、「日本が攻撃に加わるわけでもなく、そこに事前通告をすることが国際的にはあり得ない」との認識を示した。

その上で、「ついつい真珠湾攻撃の話までいったが、決しておかしくなかった」と説明。当時と現在の関係性の違いにも触れ、「80年前は日米は対立しており同盟国ではなかった。当然攻撃する時に日本側から言うなんてことはあり得ない」とも指摘した。

また、イランで拘束されている日本人2人のうち1人について、アラグチ外相に強く申し入れ、「18日に拘束を解かれ釈放された」と述べ、22日午前にも帰国予定だと明らかにした。もう1人についても「早期解放に向けて努力している」と話した。

(茂木外相の発言を追加し、更新します)

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