中国軍は、台湾周辺の海、空域で共同軍事演習を行ったと発表しました。アメリカが台湾への軍事支援を拡大する姿勢を鮮明にしたことへの対抗措置とみられます。

中国軍で台湾を担当する東部戦区は、25日、台湾周辺の海、空域で火力を用いた演習などを実施したと発表しました。海軍と空軍が合同で行ったとしています。

東部戦区の報道官は今回の演習について「現在エスカレートするアメリカと台湾の挑発行為に対する毅然とした対応だ」と述べ、アメリカをけん制する意図があるとしています。

そのうえで「国家主権と領土保全を断固として守るため今後もあらゆる必要な措置をとる」としています。

アメリカ国務省は6日、台湾に対しF16戦闘機などの軍用機に使われる消耗品、総額580億円規模の売却を承認し議会に通知したほかアメリカ議会上院は、台湾に対し、今後5年間で最大100億ドルの軍事支援を行うことなどを盛り込んだ法案を可決するなど、台湾への軍事支援を強める姿勢を鮮明にしています。今回の演習は、こうしたアメリカの措置に対抗する狙いがあるものとみられます。

台湾をめぐっては、22日にも多数の中国軍機が台湾周辺の空域を飛行し、一部は事実上の停戦ラインである「中間線」を越えるなど、中国側が軍事的挑発を強める行動に出ています。