電気自動車(EV)用バッテリーで世界最大手である中国の寧徳時代新能源科技(CATL)の株価が10日、約6カ月ぶりの大幅高となっている。前日発表の決算で、利益がアナリストの予想を上回った。

株価は一時9.7%高と、取引時間中としては2025年9月15日以来の上昇率となっている。

9日の発表によると、25年12月期の純利益は前年比42%増の722億元(1兆6500億円)と、市場予想を上回った。売上高も同17%増加した。海外出荷の拡大や急成長するエネルギー貯蔵事業が、中国EV市場での需要鈍化を補った。

今回の決算は、電池メーカーを取り巻く不確実性が高まる中でも、世界的なグリーンエネルギー移行の中核を担うCATLの地位を一段と強固にする内容となった。想定以上に急速なEV需要の減速を受け、業界大手の一部はエネルギー貯蔵システム分野へ軸足を移している。同分野は、再生可能エネルギーの電力網への統合拡大や、AIデータセンター向け需要の急増を背景に、成長が加速している。

この動きは、CATLと、世界最大のEVメーカーである比亜迪(BYD)の異なる軌道を浮き彫りにしている。EV市場への依存度が高いBYDは、国内での激しい競争や自動車販売の低迷を受け、収益に下押し圧力がかかっている。今月後半に発表予定の25年10-12月決算では、売上高が過去5年で最大の減少となる見通し。同社は電池の自社生産も行っている。

CATLのエネルギー貯蔵部門の売上高は前年比約9%増、海外部門の売上高は同約18%増となった。地政学的な逆風でも、国際展開は引き続き同社の成長戦略の中核を担っている。

同社は、米国や欧州の貿易障壁を回避するため、ライセンスモデルの強化を進めている。物理的資産を保有することで生じる政治的リスクを抑えながら、研究開発の成果を収益化する狙いだ。欧州では、ハンガリーで進める数十億ユーロ規模の工場増強が、高い労働コストや現地規制への対応力を測る試金石として注目されている。

CATLは9日、最大400億元の社債発行を登録する計画も明らかにした。生産や事業運営の支援に充てるほか、債務構造の最適化や資金調達コストの削減を図る狙いがある。

原題:CATL Shares Rally on Profit Beat Fueled by Energy Storage Boom(抜粋)

--取材協力:Jamie Nimmo.

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