先月まで航空各社は新しい機体を思うように入手できずにいた。欧州エアバスと米ボーイングは需要急増への対応に苦慮していた。

しかし、10日間に及ぶイランでの戦争で見通しは一転した。航空各社は旅客需要への影響や燃料コスト、紛争空域の航行リスクを精査している。事情に詳しい複数の関係者によると、航空機メーカーやリース会社は、一部の顧客が取引を先送りする可能性を懸念している。

直接購入より早く機体を確保できるリース契約や、今後の機体発注に関する交渉は、一時中断を余儀なくされている。中東やアジアの一部の航空会社で運航に支障が出ているためだ。関係者が協議の非公開を理由に匿名で語った。

中東の航空各社は、通常運航の再開時期を見定める方針で、最終決定を下す前に戦争による財務面の影響も見極めようとしている。関係者によれば、ライオンエアやガルーダ・インドネシア航空、エアアジアなどアジアの航空会社も、大型機の購入時期の見直しを進めている。

一部の航空会社は機体の受領(じゅりょう)休止も検討している。イラン戦争に伴う燃料価格急騰で計算が狂った格好だ。

エミレーツ航空、ライオンエア、ガルーダ・インドネシア航空にコメントを求めたが、今のところ返答はない。ボーイングはこの件について顧客の判断に委ねるとし、エアバスは個別のニーズについて各社と連絡を取っているが、協議内容は機密事項だと説明した。

フライドバイは交渉や受領中断を否定した。エティハド航空は発注計画を維持し、受領延期もしない方針を示した。一方、カタール航空は「この期間の意思決定は、安全を最優先に行っている」とした。

エアアジアは、最近の世界的な燃料価格上昇を受け、自社ネットワーク全体で運賃と燃油サーチャージの暫定的な調整を行ったと明らかにした。

受領契約の撤回は難しいため、延期は、航空会社が機体増強に伴う財務負担を分散させる手段の一つとなっている。

受領延期には違約金が発生することが多いが、関係者によれば、今回はフォースマジュール(不可抗力条項)を宣言することで、違約金を求められずに受領契約を一時停止できる可能性がある。

原題:Iran War Has Airlines Reviewing Growth Plans as Fuel Surges (1)(抜粋)

--取材協力:Albertina Torsoli、Mihir Mishra、Sri Taylor、Julie Johnsson.

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