中東情勢の緊迫化が収まる気配がほとんどみられない中、短期売買で利益を狙うファストマネーが米国株下落への賭けを強めている。

ゴールドマン・サックス・グループのプライムブローカレッジが集計したデータによると、ヘッジファンドは6日までの1週間に、株式上場投資信託(ETF)のショートポジション(売り持ち)を8.3%積み増した。弱気姿勢を強めるペースがこれを上回ったことは、過去5年間で1回だけだ。

中東での紛争拡大で原油高騰やインフレへの懸念が強まる中、米株への投資意欲は後退している。先週のS&P500種株価指数は2%下落。恐怖指数と呼ばれるシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー指数(VIX)は、関税問題を巡り市場が混乱した昨年4月以来の高水準に急上昇した。

一方、ファストマネー勢は米株から完全撤退したわけではない。個別銘柄の保有残高は5週間ぶりに増加。これは、市場全体に対しては懐疑的な見方を維持しつつ、個別の割安株の買いには意欲的であることを示唆している。

ゴールドマンのマネジングディレクター、リー・コッパースミス氏は7日付の顧客向けリポートで、「投資家がヘッジを強化しながらも、本格的な撤退には至っていないという見方が、ポジションと資金フローのデータで裏付けられている」と分析した。

ゴールドマン・サックス

S&P500種は6日に1.3%下落し、主要11業種のうち9業種が値下がりした。この日の安値は1月に付けた最高値から4%未満の下落にとどまっているが、ゴールドマンの米ボラティリティー・パニック指数は、上限の10に迫る9.72に急上昇した。

これは、個別株レベルで強まる売り圧力と、指数全体の限定的な下げの間の乖離(かいり)を示していると、同社のストラテジストは指摘している。

原題:Goldman Says Hedge Funds Add Short Bets on US Stocks Amid Rout(抜粋)

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