米国防総省は人工知能(AI)開発を手がけるスタートアップ、アンソロピックに対し、同社および同社製品が米国のサプライチェーン(供給網)にリスクをもたらすと判断したことを正式に通知した。事情に詳しい国防当局高官が明らかにした。AIの安全策を巡る対立が一段と激化している。

高官は5日、ブルームバーグ・ニュースに対し、国防総省は「アンソロピックの経営陣に対し、同社および同社製品がサプライチェーン上のリスクと即時に見なされると正式に通知した」と述べた。

アンソロピックの広報担当者からのコメントは得られていない。高官は、国防総省がいつ、どのような手段で同社に通知したかについては明らかにしなかった。

アンソロピックはこれまで、国防総省がサプライチェーン上のリスク指定を行った場合は法廷で争う方針を示していた。

国防総省の今回の判断は、同社と軍の双方に混乱をもたらす恐れがある。軍がアンソロピックのソフトウエアに大きく依存してきたためだ。最近まで、アンソロピックは国防総省の機密クラウド上で稼働可能な唯一のAIシステムを提供していた。

ジョージタウン大学の安全保障・新興技術センター(CSET)のシニアリサーチアナリストを務めるローレン・カーン氏は、アンソロピックのAIシステムが「優れた能力」を持つとした上で、これを外すのは「関係者全員にとって痛みを伴う」と語った。

高官は5日、「当初から根本的な原則は一つだった。軍があらゆる合法的な目的のために技術を使用できることだ」と指摘。「重要な能力の合法的な使用を制限して指揮系統に介入し、わが国の戦闘員を危険にさらすことを、軍はベンダーに許さない」と強調した。

原題:Pentagon Notifies Anthropic It’s Deemed Firm a Supply-Chain Risk(抜粋)

--取材協力:Jen Judson、Shirin Ghaffary.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.