(ブルームバーグ):JPモルガン・チェースが主導する銀行団は、ソフトウエア会社クアルトリクス・インターナショナル向け貸し付け案件で5億ドル(約782億円)超の含み損を抱える見通しだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者によれば、銀行団はクアルトリクスによるオンライン調査・データ分析会社プレス・ゲイニー・フォースタ買収に向けた53億ドルの貸し付けについて、自行のバランスシートを使って資金供給する準備を進めている。
ローンを投資家に売却できす銀行がバランスシート上に抱えるいわゆる「ハング」ディールとしては、レバレッジド・ファイナンス市場で今年最大となる可能性がある。
貸し手側は3月、同案件を巡る初期の協議を停止後、正式な売り出しに踏み切らない判断を下した。レバレッジドローンやジャンク債市場の投資家が、ソフトウエア株下落へのクアルトリクスのエクスポージャーを理由に、消極的な姿勢を示したことを受けた。
JPモルガンの担当者はコメントを控え、クアルトリクスおよび同社を所有するプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社シルバー・レイク・マネジメントはコメント要請に応じなかった。
オンライン調査ツールを手がけるクアルトリクスは、人工知能(AI)の急速な進展を受けて投資家が業界全体のビジネスモデルを見直す中、ソフトウエア企業が逆風に直面する象徴的な事例の一つとなっている。
ブルームバーグのデータに基づくと、クアルトリクスの既存タームローンは現在、額面1ドル当たり約0.84ドルで取引されており、新規案件の条件設定に大きな障害の一つとなった。
銀行は通常、買収を支援するために融資コミットメントを提供し、その債権を機関投資家に売却して手数料を得ることを想定している。買収完了前に迅速に売却するのが一般的で、貸し付けがバランスシートに残れば新規案件に振り向ける余力は制約される。
関係者の話では、クアルトリクスによるプレス・ゲイニー買収は今月中にも完了すると見込まれている。銀行団は、投資家にとって魅力を高めるための幾つかのストラクチャー変更についてシルバー・レイクと協議しており、ローンの市場投入は後日に持ち越す計画だという。
クアルトリクス向け案件で銀行が計上を余儀なくされる含み損の一部は、市場再投入の際に解消される可能性もある。
原題:JPMorgan-Led Group Eyes $500 Million Loss on Qualtrics Debt(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.