(ブルームバーグ):写真・動画共有アプリ「Snapchat(スナップチャット)」を運営する米スナップの株価が時間外取引で下落した。主力の広告事業が中東の戦争による影響を受けていると開示したことが嫌気された。
株主宛て書簡で同社は、「中東の地政学的逆風」が広告収入に悪影響を与えたと説明。3月だけで2000万-2500万ドル(約31億-39億円)の減収要因となった。もっとも、4-6月(第2四半期)の売り上げ見通しは15億2000万-15億5000万ドルとし、市場予想と一致した。
また、人工知能(AI)検索エンジンの新興企業パープレキシティAIとの提携を正式に解消したとも発表。競争が激化するAI分野での戦略に疑問が生じている。この提携は昨年秋に大々的に発表したもので、約4億ドルの収入をもたらすと期待されていた。
1-3月(第1四半期)は、年末商戦の低迷から回復し、ユーザー数は市場予想を大きく上回った。1日当たりアクティブユーザー数は4億8300万人と前四半期の4億7400万人から増加。月間アクティブユーザー数は9億5600万人となり、目標の10億人に近づいた。いずれも前年同期比で5%増だった。
エヴァン・シュピーゲル最高経営責任者(CEO)は発表資料で「1-3月期は1日当たりアクティブユーザー数が再び増加し、売り上げ成長が加速。利益率も拡大し、フリーキャッシュフローも大きく伸びた」と述べた。「スペックス」など拡張現実(AR)スマートグラス分野への投資を進める中で「規律ある事業運営に注力する」とした。
スナップ株は6.11ドルで6日の通常取引を終え、その後の時間外取引では約6%下落。今年に入り約24%下げている。
同社は年内にARスマートグラス「スペックス」の一般向けモデルを投入する予定。1月には同プロダクト専用の子会社を設立した。6月にカリフォルニア州で開催されるイベントで詳細を公表する計画だが、業績への寄与は投入後になる見込みだ。
また、パープレキシティAIとは1-3月期に「友好的に関係を解消した」と説明。同社との契約を今後の業績見通しから除外した。
同提携はパープレキシティのAI検索エンジンをスナップチャットに統合する計画だった。急成長するチャットボットやアシスタント分野での足掛かりとなるはずだったが、突然の提携解消でスナップのAI戦略の不透明感が強まった。メタ・プラットフォームズなどの大手競合は自社の最先端AIプロダクトやインフラの構築・開発に積極投資を進めている。
一方、AIクリエイティブツールの定額制サービス「Lens+」は初期段階で手応えがあるとした。1-3月期の加入契約を含む「その他収入」は前年同期比87%増の2億8500万ドル。広告主向けにはAIによる自動化ソリューションや「AIスポンサード・スナップ」などの広告形式も提供している。
2月に始まったイラン戦争も不透明要因となっている。4-6月(第2四半期)の見通しには中東情勢の混乱継続を織り込んだが、「地政学情勢の先行きは不確実だ」とした。
戦争の影響に加え、25年を通じて逆風が続いた広告事業は依然として課題を抱えている。株主宛て書簡によると、北米の大手ブランドが軟調な一方、中小企業は堅調だ。1-3月期は北米の中小企業による広告支出が前年同期比30%以上増加。世界の広告収入の30%以上を占めた。
4月にはコスト削減と黒字化に向けた取り組みの一環として従業員の16%に当たる約1000人を削減すると発表。人員削減と300超の採用枠縮小により、年後半までに年間ベースで5億ドル超のコスト削減につながるとの見通しを示した。
この人員削減は、アクティビスト(物言う投資家)のアイレニック・キャピタル・マネジメントがスナップの株式を取得し、業績改善に向けた迅速な改革を求めてから数週間後に発表された。アイレニックは株価押し上げにつながり得る措置として人員削減を提案した。
原題:Snap Falls After Saying Advertising Revenue Buffeted by War (1)(抜粋)
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