(ブルームバーグ):中国は今年、国防費を7%増やす方針だ。2022年以来最も小幅な増額となるものの、防衛を強化している日本などアジア各国と比べるとはるかに高い伸び率だ。
財政省が5日公表した報告書によると、中央政府の軍事支出は1兆9100億元(約44兆円)に増加する。中国は23年以降、毎年約7.2%ずつ国防費を引き上げてきた。
北京で同日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の冒頭で演説した李強首相によれば、中国は「軍事訓練と戦闘準備態勢で着実な成果を上げ、先進的な戦闘能力の開発を加速させる」という。

国防支出の伸びがやや鈍化した背景には、中国政府がここ30年余りで最も低い年間成長率目標を設定したことがある。シンガポールのS.ラジャラトナム国際学院(RSIS)のリサーチフェロー、ヤン・ジー氏は、国防費も中国が身の丈以上の支出をしないように引き下げる必要があると述べた。
ただ、中国が実際に人民解放軍に充てている資金は公表値を上回る可能性が高い。ヤン氏は「国防予算のうち、依然として公式統計に含まれていない部分がかなりある」と指摘した。
米国防総省は、実際の中国国防費は公表値を大きく上回るとの推計を示している。

中国共産党の習近平総書記(国家主席)は、人民解放軍の建軍100年に当たる27年までに軍の現代化を完了し、49年までに世界有数の軍にするとの目標を掲げている。ただ、習氏は最近、軍に対する粛清を強化。制服組トップの解任など、軍指導部の弱体化も招いている。
李氏は演説で、「軍の政治的忠誠を確保するという原則に導かれ、軍の政治面の規律を引き続き強化し、人民解放軍の建軍100年目標に向けて大きく前進する」と語った。
原題:China Boosts Defense Spending by 7%, Slowest Pace Since 2022 (2)(抜粋)
--取材協力:Colum Murphy、Jing Zhao、Yian Lee、Julia Zhong.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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