日本銀行は中東情勢の緊迫化を受けて内外経済の不確実性が高まる中でも利上げ路線を堅持しており、4月に利上げが必要な環境になる可能性も排除していない。複数の関係者への取材で分かった。

関係者によると、米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けた金融政策判断について、日銀は戦闘と原油価格の上昇が長期化するかが最大のポイントとみている。今後の展開を予断を持たずに注視していく必要があり、現在は内外経済や物価への影響、市場動向を慎重に見極めていく局面にあるという。

Photographer: Akio Kon/Bloomber

不透明感の強まりに加えて金融市場も不安定化する中で、今月18、19日に開く金融政策決定会合では政策金利の維持が決まる公算が大きい。先行きは中東情勢次第だが、これまでの日本の経済・物価情勢は日銀の見通しに沿って推移しており、現時点で4月に利上げが必要になる可能性も排除されないと関係者は語った。

植田和男総裁は4日の衆院財務金融委員会で、中東情勢を注視しつつ、日銀による経済・物価の中心的な見通しが実現していけば、「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことが適当」との見解を改めて示した。

中東情勢の影響を巡っては、短期的に収束すれば一時的なショックにとどまる一方、長期化する場合はインフレ予想の上昇を通じ、政策判断で重視する基調的な物価上昇率が上振れるリスクが高まる。企業の価格設定行動が積極化している中で、コスト上昇を価格に転嫁する動きは従来よりも強まっている。

原油価格の上昇はエネルギーの輸入依存度が高い日本経済にとって、交易条件の悪化を通じて下押し要因になる。日本経済に与える影響の程度にもよるが、物価の基調が目標の2%に近づいている中で、追加的な上振れ要素が生じた場合、政策判断は難しい対応を迫られることになると関係者は指摘した。

(第4段落に植田総裁の発言を追加して更新しました)

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