米国とイスラエルのイラン攻撃で石油供給に対する懸念が高まる中、石油元売り会社が日本政府に対して石油の国家備蓄の放出を要請していることが分かった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者らによると、日本が産油国に貸与しているタンクに貯蔵されている原油の活用についても、政府と石油元売り会社で協議を行っている。産油国共同備蓄と呼ばれる仕組みで、緊急時にはタンク内の原油を日本企業が優先的に購入できることになっている。関係者の1人によると、国家備蓄も共同備蓄も放出が決まっても、入札などがあるため実際の供給までに時間がかかることから、企業側は国に早期に決定するよう求めている。

エネルギー政策を所管する経済産業省の担当者からコメントは得られていない。

世界全体の消費量の約20%に相当する原油が通過するホルムズ海峡がイランにより事実上封鎖され、中東の原油や天然ガスに依存する各国で混乱が広がっている。日本でも石油元売りの1社が国内供給を優先するためガソリン・航空燃料・軽油の3月分の輸出をキャンセルしたと報じられるなど影響が出始めており、封鎖が長期化すれば国内の供給に影響が出る恐れがある。

経済産業省のデータによると、昨年12月末時点で日本は国家備蓄、民間備蓄、産油国共同備蓄で計254日分の石油備蓄を持つ。日本はサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェートと共同備蓄を行っており、平常時には産油国のアジア向けの供給拠点として活用される。経産省のデータによると、日本の消費量7日分が共同備蓄として貯蔵されている。

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