中国は今年の経済成長率目標を4.5-5%の範囲に設定した。1991年以来最も控えめな成長目標となる。ブルームバーグ・ニュースが入手した政府の年次活動報告書の写しで分かった。

2026年の成長率見通しは市場予想に沿った内容だが、当局が2023年に目標を約5%へ引き下げて以来の下方向への調整だ。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、目標が設定されなかった。

今回の成長率目標変更は、債務主導の不動産・インフラ投資に代わる、より持続可能な成長けん引役の確立を目指す中で、より緩やかな成長ペースを受け入れる姿勢を政府が示したものだ。

目標を引き下げることで、不安定な世界の貿易環境にもかかわらず、当局に積極的な景気刺激策を講じるよう迫る圧力も和らぐ。

 

中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)は5日、北京で開幕する。李強首相は同日午前にこの目標を正式に発表する見通し。2026年の財政支援の規模を左右する雇用やインフレの目標も示される。全人代は12日まで続く。

その他の2026年目標は以下の通り。

  • 消費者物価指数(CPI)の上昇率目標を約2%に設定
  • 財政赤字を国内総生産(GDP)比約4%とする計画
  • 都市部で1200万人超の新規雇用創出を目指す
  • 国防費を7%増額する計画
  • 銀行向けに3000億元(約6兆8300億円)の特別国債を発行する
  • 地方政府による新規の特別債発行を4兆4000億元とする
  • 超長期特別国債1兆3000億元を計画

中国はまた、GDP成長率を2026-2030年に合理的な範囲に維持する方針を示した。

財政

今年の財政赤字目標(対GDP比約4%)は2025年に記録した過去最高水準から横ばいとなる。政府が一般公共予算で見込む歳入を5兆8900億元上回る支出を計画していることを意味する。一般公共予算は中国の4つの予算の中で最大で、税収を原資に教育や社会保障、交通、環境保護など幅広い分野の歳出を賄う。

銀行の利ざや縮小や信用需要の低迷により金融緩和の余地が限られる中、財政政策が景気刺激の主役となっている。財政赤字のGDP比を過去最高の水準に据え置くことは、政府が成長確保に向けて財政の蛇口を開き続ける意思を示すものだ。

公式の財政赤字に加え、政府は超長期国債の発行で1兆3000億元を調達する計画だ。通常は国家の重要インフラや安全保障プロジェクト、さらには消費者や企業の支出を促す補助金プログラムの財源に充てられる。また、国有銀行の資本増強を支援するため、特別国債3000億元も発行する。

地方政府には、新規の特別債発行枠として計4兆4000億元が割り当てられた。これはインフラ投資や不動産開発業者からの売れ残り住宅の買い取り、簿外債務の削減に充てる主要な資金源となる。

債券発行枠の総額は6兆元で、前年予算の6兆2000億元からは減少した。

中国は2020年以降、公式の財政赤字をGDP比3%超に設定したのは今回で5回目となる。昨年10月に米国と関税措置を巡る対立を棚上げし、貿易摩擦は緩和したものの、中国政府は今年の成長目標達成に向けた脅威に引き続き直面している。

消費者や企業の信頼感は依然として弱く、デフレ圧力や長年にわたる不動産不況を背景に投資が縮小。昨年の輸出は予想外の底堅さを示したが、中東で拡大する軍事衝突は新たな貿易混乱を引き起こし、サプライチェーンの安定を損なうリスクがある。

原題:China Softens GDP Goal to Range of 4.5% to 5% as Growth Slows、China Sets Lowest Growth Target Since 1991 as Old Model Falters、China Keeps Budget Deficit Target at Record High to Spur Economy、China Sets 2026 GDP Growth Target at 4.5%-5% (2)(抜粋)

(財政についての詳細を追加して更新します)

--取材協力:Fran Wang.

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