全ての航空会社は、異常気象や機械的トラブルによる混乱に備え、対応計画を持っている。ただし、中東を拠点とする航空会社のリストには、もう一項目ある。戦争だ。

米国とイスラエルがイランを攻撃した2月28日、クウェートのジャジーラ航空も対応に動いた。バラサン・パスパティ最高経営責任者(CEO)によると、同社は航空機の運航を停止し、乗員と乗客を安全な場所へ移動させ、さらに外交ルートを通じてイラン人乗客200人をイラク経由の陸路で帰国させた。

クウェートのジャジーラ航空のバラサン・パスパティCEO

湾岸諸国が空域を閉鎖し始めたとの連絡を受けた際、パスパティ氏はミュンヘンに滞在していたため、こうした対応の実行は一層複雑になった。同氏はシンガポール国籍で、以前はジェットスター・アジア航空を率いていた。

パスパティ氏はインタビューで「おそらく私たちは今、想定していた計画のうち、最悪のシナリオの中にいる。いつ、どこで起きるか正確には分からないが、準備していた」と語った。

ジャジーラ航空の保有機材はエアバスA320型機23機と小規模だが、同社の状況は、事実上の運航停止という、湾岸地域の航空業界が直面している前例のない事態を映し出している。

地域最大の航空会社エミレーツ航空は、商業運航を7日まで停止すると発表した。世界の旅行者にとって重要な目的地である湾岸地域で、運航が1週間フルに途絶えることになる。

攻撃開始以来、大手航空会社は中東のハブ空港向けの運航を縮小するなど、世界の航空会社は計1万5000便超を欠航している。

相次ぐミサイルやドローン攻撃により、ドバイ、アブダビ、バーレーン、クウェートの各空港は危険にさらされている。クウェート国際空港は、2月28日にドローン攻撃を受け、軽傷者が数人出たほか、旅客ターミナルにも被害が生じた。

パスパティ氏は、同社のターミナルは依然として機能しており、空域が再開され次第6時間以内に運航を再開できるとしている。同氏は、空域が開いたままであるサウジアラビアで、一部の便の運航再開を目指している。

世界の航空旅客の約10%が湾岸のハブ空港を経由しており、欠航の影響は空域再開後も長引く見通しだ。

パスパティ氏は「中東は、石油依存からの多角化を進める中で、素晴らしい観光インフラやホスピタリティーインフラを築き、何十万もの雇用を創出してきた。今回の事態は、この地域にとって最大級の打撃の一つだ」と語った。

原題:Airlines Based in the Gulf Are ‘Living the Worst-Case Scenario’(抜粋)

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