22歳の社会減が顕著、定番の「子育て世帯誘致」は極めて低い有効性

社会減エリアからの20代前半人口の大きな減少を各歳で分析すると、22歳が突き抜けて多く、男女ともに3割となっている。

1浪または1留を含む23歳を合算すると、4割弱の影響度となる。大学新卒就職期に大きな社会減が起こっていること、男性よりも女性に顕著であることを社会減エリアは強く問題視しなくてはならない。

昭和期には「高学歴の若者が地元を出ていくのは仕方がない」という考え方も通用したが、今や4年制大学進学率が男女とも5割を超え6割に達しようとしている。つまり、4年制大卒は令和時代においては特別なものではない。

男女差も6ポイントで推移しており、徳島県のように4年制大学進学率が女性の方が高い自治体も出てきている。

「普通の若者を就職で、男女ともに、さらに女性の方をかなり多く地元から逃していることへの対策」こそが、「地方創生」をデータサイエンスでとらえた際の最優先策ともいえる。

また、社会減女性の3位にランクインしている20歳は、専門学校卒の若者の就職期にあたる。

多様性の時代において、4年制大学と専門学校の比較で専門学校を選ぶ若者も珍しくない令和時代において、男女関係なく就業意識を強く持って動いていることに、社会減エリアは気がつかなければならない。

地元の男性の仕事を充実させれば女性がついてくる、といった「昭和の常識=令和の非常識」からの脱却も社会減エリアの多くが持つ課題である。

一方、地域少子化対策や移住で声高に叫ばれる、子育て世帯誘致の社会減対策としての有意性は極めて低い。

日本における初婚同士の男女の結婚のピーク年齢は男性27歳、女性26歳であり、第1子から第3子の授かり年齢は男女とも35歳までとなっている。

30歳以降の社会減への対策は社会減を大きく変える要因とはならないことは明確となっている。

地方の講演会で繰り返しお伝えしている言葉がある。

「地元に男性1万人を集めても、それだけでは子どもは一人も生まれません。人口サステナビリティの観点からは、1万人の男性誘致もたった1人の女性誘致に勝てないのです」

「私はジェンダーの話をしているのではありません。生物学的な見地から、基本中の基本の話をしているのです」

(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 生活研究部 人口動態シニアリサーチャー 天野 馨南子)

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