イラン戦争が世界の航空業界に引き起こしている混乱は日ごとに深刻化し、戦闘が始まって以降の中東便の欠航は2万7000便を超えた。一方、航空各社は一部の運航再開を目指している。

ペルシャ湾岸地域に足止めされている乗客は数千人に上る。その多くは高額な遠回りを強いられ、まだ運航が続くサウジアラビアやオマーンの空港に向かうことを強いられている。航空分析会社シリウムによれば、2月28日以降に予定されていた中東発着の合計5万1600便のうち、半数以上が欠航した。

もっとも、運航回復に向けた取り組みも見られている。

アラブ首長国連邦(UAE)は、1時間に最大48便の運航を可能にする安全な空の回廊を構築中だ。世界最大の国際航空会社であるエミレーツ航空は、商業飛行に安全とされる空域の部分的な再開を受けて、便数を限定して運航している。

また、欧州最大の航空グループであるドイツのルフトハンザ航空は、長距離便の需要増加を受け、アジアとアフリカ路線の増便を検討していると明らかにした。長距離便はこれまで中東系の航空会社が強みとしてきたが、イラン戦争で中東が敬遠されていることが背景にある。

ルフトハンザが6日発表したところによると、増便が検討されているのはシンガポール、インド、中国、南アフリカ共和国行きだという。

 

航空各社が発表した運航スケジュールの調整は以下の通り。

エア・インディア

  • 増便を計画
    • 3月5日~11日:デリー-トロントの運航を3便追加
    • 3月7日~10日:デリー-フランクフルトを3便追加、デリー-パリを1便追加
    • 11日以降も高い需要と中東系航空会社の運休に対応して増便を検討

エールフランスKLM

  • エールフランスはドバイとリヤドの発着便を6日まで、テルアビブおよびベイルートの発着便を8日まで運休
  • KLMはテルアビブ発着便を冬季の残り期間全て運休。サウジアラビアのダンマンとリヤド、ドバイ発着便は6日まで運休

ブリティッシュ・エアウェイズ

  • アブダビ、アンマン、バーレーン、ドーハ、ドバイ、テルアビブ便を停止
  • ロンドンとオマーンのマスカット間の運航を8日まで増便

キャセイパシフィック

  • ドバイおよびリヤド発着便を14日まで運休

中国南方航空

  • 広州-リヤド便を6日から再開
  • 深圳―リヤド便を10日から再開

デルタ航空

  • ニューヨーク―テルアビブ便を少なくとも22日まで停止

エミレーツ航空

  • 2月28日以降、2000便超を欠航
  • 現在は限定的な運航を再開

エティハド航空

  • 6日から19日まで、世界26都市に向け限定的に運航を再開するとXに投稿
  • 再開されるのは、東京、ソウル、北京、台北、シンガポール、デリー、フランクフルト、ロンドン、パリ、ニューヨークJFKなど

フィンエアー

  • ヘルシンキ―ドーハ便を少なくとも6日まで停止
  • ドバイ発着便は28日まで運休

日本航空

  • 羽田-ドーハ便を14日まで運休

大韓航空

  • ドバイ便を8日まで運休

ルフトハンザ・グループ

  • テルアビブ、ベイルート、ヨルダンのアンマン、イラクのエルビル、テヘラン便を8日まで運休
  • イスラエル、レバノン、ヨルダン、イラク、カタール、クウェート、バーレーン、ダンマン、イラン領空の飛行を8日まで回避
  • ドバイ、アブダビ便は6日まで停止。UAE領空は同期間、飛行を回避

オマーン航空

  • アンマン、ドバイ、バーレーン、ドーハ、ダンマン、クウェート、コペンハーゲン、バグダッド便を6日まで停止
  • マスカット空港の利用客には、出発時刻の少なくとも12時間前には国境に着くよう勧告。国境は渋滞中
  • マスカット発で以下の路線を増便。ロンドン(7~16日)、イスタンブール(9~16日)、バンコク(8~15日)、クアラルンプール(8~11日)、カイロ(8~15日)、ムンバイ(7~8日)

カンタス航空

  • シンガポール経由のシドニー―ロンドン間チャーター便を7日に運航

カタール航空

  • ドーハ発着便を無期限で運航停止
  • 足止めされている旅行者向けに、オマーンのマスカットからロンドン、ベルリン、コペンハーゲン、マドリードなどに5日から臨時便を限定数運航

シンガポール航空

  • ドバイ便を15日まで運休

ヴァージン・アトランティック

  • ロンドン―ドバイ、リヤド便の運航を再開

原題:Airline Cancellations Hit 27,000; Carriers Restart Some Flights(抜粋)

Lufthansa Weighs More Longhaul Flights as Iran Upends Rivals (2)(抜粋)

(航空各社の対応を入れて更新します)

--取材協力:Kate Duffy、Sonja Wind、Andrey Biryukov.

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