(ブルームバーグ):米国とイスラエルがイランとの間で開始した戦争は4日目に入り、中東地域全体に影響が広がっている。トランプ米大統領はこの戦争に期限はないと示唆。石油とガスの価格は高騰し、世界は適応を迫られている。
イランは近隣諸国で米軍が基地を置くカタールやバーレーン、オマーンをミサイルで再び攻撃。カタールは軍事関連だけでなく、主要空港も攻撃を受けていると説明した。
イスラエルはイランの首都テヘランに対する攻撃を続け、大統領府や最高安全保障委員会(SNSC)など同国指導部の施設も空爆したと発表。イスラエルの公共放送Kanが同国高官の情報として報じたところによると、死亡したハメネイ師の後継選出を担う専門家会議の会合中だった建物も爆撃した。
イランの政府系メヘル通信は、攻撃を受けた専門家会議の施設は使用中ではなかったと、イスラエルの報道を否定している。
イスラエルはまた、親イラン武装勢力のヒズボラが拠点とするレバノン南部に派兵したことも明らかにした。
2日深夜から3日未明にかけては、サウジアラビアの首都リヤドの米国大使館付近を無人機(ドローン)2機が攻撃し、小規模な被害が生じた。イラン革命防衛隊司令官の顧問は国営テレビに対し、海上交通の要衝である「ホルムズ海峡を通過しようとするいかなる船舶にも火を放つ」と述べた。
イラン産原油の大半を購入している中国は、事実上封鎖されたホルムズ海峡の安全な航行を確保するよう「全ての当事者」に求めた。事情に詳しい関係者によれば、アラブ首長国連邦(UAE)とカタールは、イランに対する米国の軍事作戦を短期間にとどめるよう、トランプ氏を説得する働きかけを水面下で同盟国に行っている。
原油の国際指標である北海ブレントは3日の取引で10%近く上昇し、1バレル=85ドルを一時超えた。イラクは世界有数の規模を誇るルマイラ油田で生産停止を開始したと、事情に詳しい関係者が明らかにした。同油田では英BPがイラクやペトロチャイナ(中国石油)とともに操業し、昨年は日量120万バレルの石油を生産した。
生産停止は貯蔵能力が限界に近づき、タンカーがペルシャ湾から出られないためだという。現状が続けば、イラクは日量300万バレルの生産削減を余儀なくされる見通しだと、関係者は述べた。
欧州の天然ガス価格は3日の取引で一時34%上昇した。
2日にイランの攻撃によって主要な液化天然ガス(LNG)プラントが操業停止に追い込まれたカタールは、一部の化学製品およびアルミニウムの生産を停止した。UAEでは迎撃した無人機の残骸が世界最大級の陸上石油貯蔵施設がある地域に落下し、大規模な火災が発生した。
ヘグセス米国防長官は2日、イランとの「終わりのない戦争」という考えを否定したが、トランプ大統領はその後、決まったタイムラインはないと強調した。米地上部隊の投入については両氏とも排除しなかった。
イランの赤新月社は、同国ではこれまでに米・イスラエルの攻撃により合計787人が死亡したと報告。米兵は6人、イスラエル国内では12人前後がそれぞれ死亡した。
原題:War Expands as US, Israel, Iran Ramp Up Strikes Across Region(抜粋)
Israel Struck Iran Assembly of Experts While They Met, Kan Says(抜粋)*ASSEMBLY OF EXPERTS BUILDING THAT WAS HIT NOT IN USE: MEHR
--取材協力:Jeff Mason、Kateryna Kadabashy、Alisa Odenheimer、Neil Munshi.
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