米グーグルの研究者は、将来の量子コンピューターがビットコインなどのデジタル資産を保護する暗号技術の一部を、従来想定より少ない資源で解読できる可能性があると警告した。

現時点でそのようなマシンが存在するとは示唆していないが、新たな研究により、この種の攻撃に必要な計算能力は従来の推計よりも低い可能性があるとの見方を示した。

グーグル・リサーチはブログへの投稿で、将来の量子コンピューターは広く使われている公開鍵暗号方式の一つである「楕円曲線暗号」を破る可能性があると指摘した。

最新の推計では、暗号資産(仮想通貨)のウォレットや取引の安全性を支える数学的問題である「ECDLP-256」を解読するのに必要な量子コンピューティングのハードウエアは、従来より約20分の1で済む可能性が示された。

もっとも、これはビットコインやイーサリアムが直ちに危険にさらされることを意味するわけではない。研究者らは3月30日付のホワイトペーパーで、最も有効な対策は耐量子暗号(PQC)への移行だと指摘した。PQCは高性能な計算機による攻撃にも耐えるよう設計された新しい暗号技術を指す。

一方で、回避可能なリスクを減らすよう業界に呼びかけ、「脆弱(ぜいじゃく)性のある全ての暗号資産コミュニティーに対し、遅滞なくPQCへの移行に取り組むよう求める」と研究者らは述べた。

グーグルはこの論文について、差し迫った崩壊を予測するものではなく、業界に対応の時間を与えるための警告だと位置付けた。先週には、自社のセキュリティーシステムを2029年までに全面的にPQCへ移行する計画も示している。

原題:Google Paper Warns Crypto on Quantum Risk Ahead of 2029 Timeline(抜粋)

--取材協力:Emily Nicolle.

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