かんぽ生命保険の谷垣邦夫社長はブルームバーグとのインタビューで、国内金利の一段の上昇を見込み、低利回りの国債から比較的高利回りの国債への入れ替えを進める方針を明らかにした。その背景として同社では日本銀行の次回利上げを早ければ4月と見込んでいる。

インタビューは2月27日に行った。米国とイスラエルがイランに軍事攻撃を開始した28日以降も同社は利上げ時期の見通しは変えていない。谷垣氏は、国内金利は「近いうちにまだ上がっていく」と予想。その上で、「金利の上昇を踏まえて入れ替えを行い、正当に利上げのメリットを享受する」と述べた。

かんぽ生命保険の谷垣社長 (27日・都内)

日銀の金融政策を巡っては、高市早苗首相が追加利上げに難色を示したとの24日の一部報道などから、早期の利上げ観測が後退したとの見方も出た。中東情勢の行方次第では、景気悪化リスクが高まる可能性もある。ただ現時点では、約40兆円の国内債を保有する有力機関投資家であるかんぽ生命は4月の追加利上げの見方を崩していない。

かんぽ生命ではタイミングを見計らいながら高利回り債への入れ替えを進め、債券ポートフォリオの収益性を高めたい考えだ。

かんぽ生命の野村裕之執行役・運用企画部長は2月のインタビューで、円安とインフレを抑えるため、日銀は4月に追加利上げに踏み切ると予想。長期金利(新発10年債利回り)は、来年度にかけて2.5%を中心に推移するとの見通しを示していた。直近では2.1%台前半となっている。

同社は2025年12月末時点で50兆3000億円の有価証券を抱えている。昨年後半の超長期国債を中心とした金利急上昇(価格は急落)を受け、40兆6800億円保有する国内債の含み損は4兆3867億円と3カ月間で1兆円超拡大した。

世界有数の機関投資家目指す

かんぽ生命は国内の人口減少や高齢化の中で、資産運用力の強化や収益源の多様化を進めている。その一環として、24年には大和証券グループ本社傘下の大和アセットマネジメントに出資した。当初予定を上回る2兆円超の運用を委託し、現在は大和アセットのニューヨーク拠点に人材を派遣している。

日本郵政グループの看板

谷垣氏は国際的な運用基盤の強化につなげるため、今後は大和アセットのロンドンやシンガポールなど他の拠点にも人材を送りたいとの意向を示した。具体的な時期や人数への言及は控えた。現在20%の出資比率については、「高めていきたいというのは昔から言っている」と述べ、大和アセットや大和証Gと話し合いを継続していくとした。

26年度から3カ年の次期中期経営計画では「世界有数の機関投資家」となることを目指すという。産学連携や投資を通じた社会課題の解決を理念とする谷垣氏は、その意義は「規模が大きいとか運用力でもうけるということだけではなく、世の中に対してプラスのインパクトを持つことが大事だ」と語った。

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