(ブルームバーグ):人工知能(AI)開発大手の米アンソロピックは、音声制御による自律型ドローン(無人機)群制御技術の開発を目指す米国防総省の賞金付きコンペティションに応募する提案を今年提出したAI企業の1社だった。事情に詳しい関係者が明らかにした。
アンソロピックは、自社技術を軍がどのように使用するかに関して自社で設けたレッドライン(越えてはならない一線)を巡り、国防総省と緊迫した交渉を行っているさなかに提案を提出したという。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。
ヘグセス国防長官は2月27日、国防総省の請負業者およびそのパートナー企業に対し、アンソロピックとのあらゆる商業活動を禁止するよう命じた。同社はAIの軍事利用を巡り国防総省と対立し、合意に至らなかった。

いわゆる「キラーロボット」の開発に向けた取り組みにおいて、AIが果たし得る役割が注目されている。キラーロボットとは、人間の関与なしに標的を選定し攻撃できる兵器を指す。
アンソロピックの企業評価額は3800億ドル(約60兆円)。同社の営陣は、戦闘におけるAIの広範かつ合法的な活用を支持すると繰り返し強調する一方で、大規模な国内監視や「完全自律型兵器」の使用は除くと説明している。
アンソロピックは、ドローンのスウォーム(群れ)を指揮するテクノロジー開発が自社のレッドラインを越えるものではないと当初考えていたと、関係者の1人は述べた。
最終的に致死性を持つドローン群の創出につながる可能性はあるものの、必要に応じて人間がシステムを監視し停止できる仕組みだとし、自律的な標的選定や武器の意思決定にはAIを用いていなかったと、この関係者は語った。
この賞金1億ドル付きコンペは、ソフトウエア開発から始まり実環境での試験へと進む5段階で構成される研究開発プロジェクトだと、ブルームバーグはこれまでに報じている。1月の公募発表では、国防当局者がドローンは攻撃目的で使用されると示唆し、人間と機械の相互作用はこれらのシステムの致死性と有効性に直接影響すると述べていた。
競技の第1段階はソフトウエア開発のみに焦点を絞り、その後に実機プラットフォームを用いる計画だ。国防総省の説明によれば、ソフトウエアは空や海など複数の領域にまたがるドローンの動きを統合的に調整することを目的とする。後段階では標的関連の状況把握と共有、最終的には発射から終結までの一連のプロセスの開発が求められている。
関係者によると、アンソロピックは選定企業には含まれなかった。同社はコメントを控えた。
アンソロピックはこれまで、AIはまだ自律型兵器システムを運用するのに十分に信頼できる段階にはないと主張してきた。
ドローンのスウォーム技術を巡るこの賞金付きコンペは、国防自律戦闘グループを運営する特殊作戦軍と国防イノベーションユニットが共同で立ち上げた。両機関はいずれもコメント要請に応じなかった。
イーロン・マスク氏のスペースXとxAIによる提案は、採択された応募の一つに含まれていた。
原題:Anthropic Made Pitch in Drone Swarm Contest During Pentagon Feud(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.