(ブルームバーグ):中東から中国への原油輸送コストが2日、過去最高水準に達した。イランを巡る中東地域の戦闘が、ホルムズ海峡の航路を混乱させているためだ。
ロンドン・バルチック取引所のデータによると、業界の基準ルートにおける運賃は、1日あたり42万4000ドル(約6700万円)に上昇した。200万バレルの原油を輸送可能な最大級のタンカー(VLCC)に適用される価格だ。米国メキシコ湾岸から中国までのタンカー手配費用も、航海全体で2100万ドル超の過去最高を記録した。
運賃は、米国とイスラエルによるイラン攻撃が始まった2月28日から、原油価格の急騰と並行して上昇している。ホルムズ海峡の事実上の閉鎖状態に対する、市場の最も顕著な反応の一つと言える。世界の石油の約5分の1と、同程度の割合の液化天然ガスを扱う同海峡で次に何が起こるか、トレーダーらは注視している。
事情に詳しい関係者によると、世界の石油タンカー市場で支配的な地位を占める韓国の長錦商船(シノコール)は2日、船舶ブローカーに対し、中東産原油を中国へ輸送するVLCCの基準航路の現行運賃が、業界の標準運賃指標ワールドスケールで700ポイントになると示唆した。2月27日時点と比べ、3倍以上の水準だ。バルチック取引所による2日時点の評価額は、約410ポイントだった。
船主の船舶収益の計算や、石油会社の運賃交渉時のコスト見積もりは、ワールドスケールを用いて行われる。
バルチック取引所は先に、ホルムズ海峡の現状への対応策について、基準運賃設定を支援する委員会メンバーと協議中だとしている。
ロンドン拠点のフェーンリー・シップブローカーズUKの取締役ハルヴォル・エレフセン氏によると、一部の小型タンカーは高運賃で仮予約されているものの、中東からの輸送を支配するVLCCの傭船契約は停滞している。
エレフセン氏は「現時点では、この水準で物理的な貨物輸送を買い手も売り手も受け入れる意思はない。従って、この水準は、船舶ブローカーが最善を尽くし、市場の現在位置を見積もったものに過ぎない」と語った。
原題:Oil Supertanker Rates Soar to Record on Middle East Conflict (2)(抜粋)
--取材協力:Yongchang Chin.
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