日本銀行の氷見野良三副総裁は2日、金融政策運営について、緩やかな利上げによって徐々に景気を刺激も過熱もしない中立金利に近づけていくとの見解を示した。和歌山市内で講演した。

氷見野氏は、物価の基調と物価安定目標の差をインフレギャップと呼びたいとし、「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」と説明。これを踏まえると、ある程度緩和的なスタンスから出発して「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」ことになると語った。

今回の講演は、米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けた「週末以来の中東情勢を前提にした内容になっていない」とした上で、日銀としては「状況をしっかり注視してまいりたい」と述べた。

日銀は、昨年12月の金融政策決定会合で政策金利を30年ぶりの高水準となる0.75%に引き上げた。賃金・物価情勢の改善が続く中、今後も利上げを続ける方針を示している。中東情勢の緊迫化を受けて内外経済に懸念が広がっており、氷見野副総裁の見解が注目されていた。

氷見野氏は、利上げによる影響はこれまでのところ限定的で、「金融環境は依然緩和的な領域にある」と指摘。日銀が重視している物価の基調については、達観すれば既におおむね2%近辺であるとしても、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」との認識を示した。

政府は2月25日、今年任期満了を迎える2人の日銀審議委員の後任候補にいずれも金融緩和と積極財政を志向するリフレ派の経済学者を指名した。金融緩和重視の姿勢が改めて鮮明になった高市早苗政権と利上げに前向きな発信が続く日銀との金融政策を巡る足並みへの関心も高まっている。

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