動画配信サービスの米Netflixが米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの買収合戦で敗れるシナリオを想定し、あるオプション投資家がNetflixの株価上昇に約1400万ドル(約22億円)規模で賭けている。

ブルームバーグが集計したデータによると、この投資家は25日、Netflix株について5月限の権利行使価格90ドルのコールオプション(買う権利)を5万5000枚購入。一方、105ドルのコールを同数売却し、ポジション構築の一部資金に充てた。

このコールスプレッド戦略のコストは1株あたり約2.51ドルで、総額は1380万ドルに上る。Netflixの株価が現在の83ドル前後から上昇すれば、550万株を買い取る権利が得られる。

ワーナーは24日、同業パラマウント・スカイダンスから提示された1株31ドルの買収案について、Netflixとの既存の合意よりも有利な条件につながり得ると明らかにした。ワーナーは、映画・テレビ制作スタジオと動画配信サービス「HBO」をNetflixが1株27.75ドルで買収する案を支持する姿勢を撤回していないが、パラマウントの新たな提案は協議をさらに進める基準を満たしているとしている。

25日の米株式市場でNetflixの株価は約6%上昇し、昨年4月以来の大幅な上げを記録した。ワーナーが合意を解消した場合、Netflixは28億ドルの違約金を受け取る権利がある。

 

ジョーンズトレーディングのイベントドリブン担当スペシャリスト、キャボット・ヘンダーソン氏は「パラマウントが買収合戦を制してNetflix株が上昇するシナリオが、この取引の動機の一つだろう」と分析する。

このオプション取引が最大の利益となる差し引き約6800万ドルを確保するのは、5月15日の満期までに株価が30%上昇するケースだ。ただ、満期までにそれより小幅な上昇があれば、スプレッド価格の上昇やインプライドボラティリティー(予想変動率)の拡大につながる可能性があり、投資家は利益を確定してポジションを解消できる。

もっとも、状況は流動的だ。米政治専門サイトのポリティコは25日、Netflixのテッド・サランドス共同最高経営責任者(CEO)がワーナー買収案を協議するため、26日にホワイトハウスを訪問すると報じた。

ウォーター・アイランド・キャピタルの合併アービトラージ担当ポートフォリオマネジャー、マット・オソウィエツキ氏は「この動きは、同社がある程度の買収額引き上げをまだ排除していないことを示唆している」と述べた。

原題:Trader Bets $14 Million That Netflix to Win by Losing Warner Bid(抜粋)

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