(ブルームバーグ):ドイツ銀行とゴールドマン・サックス・グループは、取引監視の強化や不正行為の検知を目的に、エージェント型人工知能(AI)の活用を検討している。金融機関が本格的にAIを業務に取り入れる動きが広がっている。
ドイツ銀のテクノロジー、データおよびイノベーションの責任者ベルント・ロイケルト氏によれば、同行は米アルファベットのグーグル・クラウドと連携し、注文や取引、市場の値動きの異常を検知する大規模言語モデル(LLM)を開発中だ。
エージェント型AIは主に、単に情報を提供するAIチャットボットとは異なり、自律的に計画を立てて行動するよう設計されている。ドイツ銀は、このツールの運用開始後、潜在的な市場乱用の兆候を人間のコンプライアンス担当者に通知することを目的に開発を進めている。
さらに、トレーダーや営業担当者らのコミュニケーションの監視にもLLMを活用する計画だ。年内の導入を予定しているという。
ロイケルト氏は「レガシーシステムを廃止し、コンプライアンスの手法を再構築した」と述べ、「以前は異なるソースからデータを収集するのに膨大な時間がかかっていた」と語った。
一方、匿名を条件に応じた事情に詳しい関係者によると、ゴールドマン・サックスもエージェント型AIで取引を分析し、不審なシグナルを探る手法を検討している。ゴールドマンの広報担当者はコメントを控えた。
野村ホールディングスは、幹部らが別の大手銀と共同でAI監視モデルを訓練する協議を進めている。野村の国際AI戦略責任者Tahir Zafar氏が明らかにした。
競合他社と協業することで、野村は自社の利益を守りつつ、適切な範囲で情報を共有することを目指している。Zafar氏は「われわれは自社独自のモデルを運用し、相手側も自社モデルを運用できる」と説明し、「知的財産(IP)を保護しながら、主体や取引に関する情報を共有できる」と語った。
Zafar氏は「現段階で人間をプロセスから排除することは考えていない」と述べ、「エージェント型のワークフローであっても、必ず人間がすべてを確認・検証する体制を確保しているが、それでも処理能力を高めることができる」との考えを示した。
原題:Deutsche Bank, Goldman Look to AI to Flag Trader Misconduct
(抜粋)
--取材協力:Shona Ghosh.
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