エヌビディアは、トランプ米大統領が同社の人工知能(AI)半導体「H200」の対中販売を認めてから2カ月余りの間、まだ中国向けにH200を1個も販売していない。輸出管理を担当する米当局者が明らかにした。

米商務省で輸出執行を統括するピーターズ次官補は24日、下院外交委員会で証言し、AI向け先端半導体の密輸取り締まりを強化していると述べた。シドニー・キャマラガー・ドーブ下院議員(民主党)から中国向け販売が承認されたH200の数量について問われると、ピーターズ氏は「私の理解では、現時点ではゼロだ」と答えた。

ピーターズ氏は許認可プロセスに直接関与していないが、H200に関する今回の証言は、重要技術の輸出に必要な認可を監督する商務省産業安全保障局(BIS)の運営実態をうかがわせる貴重な情報だ。投資家が注目している25日発表のエヌビディア決算では、中国市場への再参入の進捗が示される可能性がある。

エヌビディアの広報担当者はコメント要請に直ちに応じなかった。

トランプ氏は昨年12月、選定した中国顧客へのH200販売を認めたが、商務省産業安全保障局(BIS)は1月に公表した正式規則で、対中輸出申請の承認条件を厳格化した。

ピーターズ氏は輸出規制に違反している企業を厳しく取り締まると強調。同氏は今月、アプライド・マテリアルズが対中輸出を巡り、制裁金2億5200万ドル(約393億円)を支払うことで米政府と和解したことに言及し、法定上限に達し、BIS史上最大の和解額となったと説明した。その上で、時効の10年への延長や、違反取引額の4倍超への制裁金引き上げにも前向きだと語った。

同氏は、この問題に注目している人には「法令を順守するか、さもなくば結果を受け入れよということだ」と述べた。

また、ビル・ハイゼンガ下院議員から半導体の密輸について問われると、取り締まりの最優先事項だとし、「チップの密輸はある。現に起きている」と語った。

ピーターズ氏は、エヌビディアが中国のAI新興企業ディープシークに技術支援を行った可能性に関する質問には、具体的なコメントは避けたものの、BISは「違反者が誰であれ、区別なく執行する」と述べた。

原題:Nvidia Has Sold Zero H200s to China, Top US Export Enforcer Says(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.