アサヒグループホールディングス(GHD)傘下のアサヒビールは、昨年9月のサイバー攻撃で落ち込んだ販売の立て直しに本格的に乗り出す方針を明らかにした。混乱していた物流システムはほぼ正常に戻り、失ったシェアの回復を目指す。

これまで年1回だったビールの大型キャンペーンを、今年は年3回に増やす。4月にはビールの新商品「アサヒゴールド」を発売。さらに10月の酒税改正にあわせて主力商品の「スーパードライ」を刷新し、販売増につなげたい考えだ。2026年はビール類全体で、25年に比べて1桁台半ばの売上増を計画している。

松山一雄社長は記者会見で、「失ったものを取り戻すだけではなく、逆境をばねにすることで、サイバー攻撃を受ける前よりも強いアサヒビールとなって復活する」と述べた。

アサヒGHDは昨年のサイバー攻撃により、約2カ月間、受注や出荷業務を手作業で行う事態となった。その影響で販売や供給が滞り、2025年のビール類売上高は前年比4%減と落ち込んだ。1月の販売も前年同月比11%減と厳しい状況が続く。

アサヒグループHDの本社ビル

国内のビール市場も縮小傾向にある。SMBC日興証券アナリストの古田典氏の推計では、25年の国内ビール類市場は前年比4%減。節約志向の高まりやサイバー攻撃の影響が背景にあるという。ビールに限っても4年ぶりの前年割れとなり、消費者のビール離れが進んでいる。

一方、今年10月には酒税が改正される。現在はビール、発泡酒、第3のビールでぞれぞれ異なる税率が一本化される。ビールは減税となる一方、発泡酒や第3のビールは増税となる。

各社の見通しは分かれている。サッポロビールはビールの販売数量が4%増えると予想する一方、増税となる発泡酒は大きく減ると見込む。ビール類全体では微減を計画している。キリンビールはビール類売上高が3%減、サントリーは1%増を見込むなど、慎重な見方も目立つ。

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