(ブルームバーグ):高市早苗首相は20日、衆院本会議の施政方針演説で、自らが掲げる「責任ある積極財政」の下、国内投資の促進策などを実行することで経済成長を後押しする決意を表明した。
世界経済は「産業政策の大競争時代にある」として、「経済成長を実現するために必要な財政出動をためらうべきではない」との認識を示した。特に国内投資は「圧倒的に足りない」と指摘。その促進に徹底的なテコ入れをするなど、「成長のスイッチ」を「押して、押して、押して、押して、押しまくる」と宣言した。
危機管理や成長分野は、「投資を上回るリターンを通じて国内総生産(GDP)の成長にも資する」と強調。政府債務残高の対GDP比引き下げにもつながるよう「予算上、多年度で別枠で管理する仕組みを導入する」と述べた。市場からの信認を損なう「野放図な財政政策」はとらないとし、行財政改革も進めると強調した。
与党が圧勝した衆院選後、初の国会演説となる。積極的な財政出動により投資の拡大を目指す成長重視の姿勢を鮮明にさせた形だ。同時に財政の持続可能性を維持し、市場からの信認を確保するため、「具体的な指標も明確化」する方針も示したが、詳細は明らかにしていない。
国力
演説は、外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、人材力の6項目で構成し、「経済力」に最も長い時間を割いた。「日本の総合的な国力を徹底的に強くしていく」と語った。
「外交力」については、平和と繁栄を創る「責任ある日本外交」を掲げた。「慣れ親しんだ自由で開かれた安定的な国際秩序」が大きく揺らいでいると指摘。分断と対立が進む世界を開放と協調に導き、日本と世界が共に繁栄していくよう「積極的に役割を果たさなければならない」と強調した。
来月の訪米では、トランプ米大統領との信頼関係を一層強固にし、東アジアなど各地域の諸課題についても連携して取り組むとした。日米と韓国、フィリピン、オーストラリア、インドなどの多角的な安全保障協力も深めると述べた。
台湾有事を巡る自身の発言を契機に関係が悪化した中国については重要な隣国であり、意思疎通を継続しながら、「国益の観点から冷静かつ適切に対応」すると語った。戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していく方針も改めて示した。
他の発言
- 長年続いた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切る
- 3月から戦略分野の官民投資ロードマップを提示
- コーポレートガバナンス見直し、企業の資源配分戦略を成長志向型に変容させる
- 裁量労働制の見直しなど、柔軟な働き方の拡大に向けた検討を進める
- 同盟国・同志国と連携し、ペロブスカイト太陽電池や次世代型地熱発電の供給網を国内に構築
- 賃上げの責任を事業者に丸投げせず、継続的に賃上げできる環境を整える
- 給付付き税額控除の制度設計を含めた改革について超党派の「国民会議」で結論を得る
- 特例公債に頼らない2年間の飲食料消費税ゼロ%に向け検討を加速
- 任期中の拉致被害者の帰国実現に向け、日朝首脳会談の選択肢を排除せず取り組む
(高市首相の発言を追加し、更新しました)
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